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決算書をごまかすと犯罪になります

 決算書は通知表。赤字を避けたい気持ちはわかります。
しかし、嘘を重ねるとつじつまが合わなくなります。嘘の決算書で融資を受けると詐欺罪に問われます。

 3月決算の上場企業は、いよいよ株主総会のシーズンとなりました。6月末に向けて株主総会が集中します。多額の損失を出すなど厳しい決算を迎える企業は、株主から追及を受けることになり、経営陣もストレスを感じていることでしょう。決算は、学校の成績で言うところの通知表のようなものであり、経営者は少しでも数字が良くなるようにしたくなります。会社が大きくても小さくても、歴史が長くても短くても、決算内容をよくしたいと思うのは自然なことです。

 そのため、昔から粉飾決算と呼ばれる行為が後を絶ちません。売上を無理やり作って水増ししたり(架空の売り上げを計上するケースもよく見ます)、経費にするべきものを経費にしなかったり(資産に計上したり、簿外に持ち出したりします)、いろんな手口でなんとかかんとか少しでも多く黒字になるようにします。

 ご存じのとおり、日本の会社は銀行からの借入によって運転資金を確保していることが多いですから赤字はタブーですし、行政への入札参加にも一定の利益が出ていることが条件になっています。しかも、申告は自主的に行うため、インチキに手を染める会社は後を絶ちません。だいたい、内容が良くない会社がインチキをするので、ますます会社の資金繰りは厳しくなり、やがて何かのきっかけでインチキがばれることになります。

 つい先日も、長年に渡って粉飾決算をしていた商社が破産し、嘘の決算書で融資を受けていたということで、経営陣が詐欺罪で逮捕されることになりました。銀行もプロなんだからインチキを見抜けよという声もあることはわかりますが、基本的にはお互いの信頼関係の下で決算書の正確性を前提に手続を行っているので、融資した銀行は被害者、嘘の決算で金を引っ張った経営者が加害者ということになります。

 みなさんにおいては、会社の決算内容が良くなくても、無理な粉飾決算を行うことは止めて、善後策を顧問税理士等に相談するようにしましょう。結局、ごまかしてもどこかでつけを払わなくてはなりません。

 また、取引先が粉飾決算をしていないのか注意が必要です。急に羽振りが良くなったり、逆に社員がばたばたやめたりと、それまでと違う変化を見逃さないようにする必要がありますね。

 粉飾が行われたりしていてやばい会社についてはいくつかのチェックポイントがありますが紙幅の関係で省略します。ネットで検索してもチェックポイントは出てきますので、関心のある方は取引先に当てはまるところがないかをチェックしてもらえるとよろしいかと思います。

 備えあれば患いなしと言いますが、何かが起こってからでは間に合わないことが多いので、自分の会社の財産は自分の体の一部と思ってきちんと管理しましょう。

以上

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