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11月1日にフリーランス保護新法が施行されます!

 いよいよ本年11月1日にフリーランスを保護する新法が施行されます!フリーランスと契約する場面も少なくないと思いますが、フリーランス・トラブル110番に寄せられている相談には、どのようなものがあるでしょうか。

 フリーランスを保護する新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が成立したことは、2023年5月29日配信のメルマガにてご紹介したところです。
 ポイントとしては、フリーランスが法人であっても同法の対象となりうること、対象となるのは1ヶ月以上の業務委託(契約から業務完了までの期間が1ヶ月以上の場合を含む)であること、フリーランスの募集時には募集条件を正確かつ最新の内容にすること、報酬の支払期日を給付の受領日(注:検査完了日ではない)から60日以内に定めなければならないこと、6ヶ月以上の継続的な業務委託を行う場合に契約を中途解約するには中途解約日の30日前までに予告が必要(法16条)であること等です。
 フリーランスと契約する場合には、新法やガイドライン等の内容をあらかじめ確認いただき抵触することのないようにご注意いただきたいところです。

 ということで、今回は、フリーランス・トラブル110番に寄せられている具体的相談例をいくつかご紹介しましょう。

 まずは、デザイナーやイラストレーターとの契約において、成果物(デザイン、イラスト等)の著作権の扱いについて明確な取り決めをしていないにもかかわらず、委託者が自由に成果物を利用するケースです。著作権は、特段の合意がない限り、デザイン等を制作したフリーランスに帰属します。よって、委託料を支払ったら何でもできる!というわけではありませんので要注意です。契約において、著作権を譲渡するのかどうか、譲渡しない場合のデザイン等の使用範囲や使用期間等を明確にしておかなければなりません。なお、フリーランスの弱い立場につけこんで、著作権譲渡を強制したり、不当に低い対価とする行為もまた独占禁止法上問題となります。
 次に、成果物に対してコンセプトが変わった等の理由でやり直しを指示するケースです。当事者間で内容が確定され、それにしたがった成果物が制作過程にあり、又は、納品されているにもかかわらず、委託者側の都合で一方的にやり直しを指示するのは、独占禁止法上問題です。委託者は、フリーランス側に発生する追加の費用等を支払わなければいけませんし、そうでない以上はフリーランスがやり直しに応じる義務はありません。
 その他、元受業者からの支払いがないとの理由で代金を払わない等々、種々の相談が寄せられているようです。

当事者双方が気持ちよくビジネスができると、次のビジネスにつながります。あれ、大丈夫かな?と疑問や不安を感じられましたら、どうぞ弊所までお気軽にご相談ください。

以上

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