社員が「広場恐怖症」になったら
シンガーソングライターの優里が「広場恐怖症」と公表しました。
パニック障害やアレルギーまで、社員一人一人への対応が求められる時代です。
個性を尊重しつつ、個人情報の侵害にならないように注意する必要があります。
シンガーソングライターの優里(男性)が、「広場恐怖症」の診断を受けたことを公表しました。と言っても、「広場恐怖症」がピンとこない方も多いまず。ざっくり言うと、ある特定の場所に行ったり、ある状況になると、急に不安になって動悸や大量の汗、息苦しさ、めまいなど身体的精神的に様々な症状が出るもののようです。「広場」とありますが、ある特定の場所であればよくて、電車とか、混雑した映画館などでもよいようです。よくパニック障害という言葉が使われますが、似たような症状が出るようです。
広場恐怖症の症状が出ると(突然発症するようです)、日常生活にも支障が出ると思われるので、社員が勤務中に発症すると、当然仕事を続けていることが困難になります。本人も辛いですが、会社としても精神的なものだけに社員への対応に戸惑うことも多いかと思われます。
絶対にやってはいけないのは、根性が足りないんだ!という巨人の星(古いですね)の星一徹的な対応です。心の状態は人それぞれですから、相手の立場に自分を置き換えるという基本中の基本ができていませんね。根性で解決できるなら、休む人はいませんので決して根性論的対応はせず、もしそのような人を見かけたらすぐ弁護士に通報をお願いします。精神的なストレスから心の病気と診断される方は、まじめな人であることが多いので、基本的に一番苦しんでいるのは本人です。したがって、本人にプレッシャーをかけたり追い込んだりすることは、絶対に慎まなくてはなりません。追い込まれて休職したりすると、のちに損害賠償請求を受けて、何百万、さらには一千万を超えるような請求を会社が受ける虞があります。
次にやってはいけないのは、無視あるいは放置です。広場恐怖症に限らず、社員の誰かが心の障害を持っていたり、アレルギーのような身体的な特徴を持っていることはよくあります。もし、会社の宴会でアレルギーのある社員がいたら、アレルギー食材の確認をしてお店に伝えますよね。いろいろな障害や疾患も同じように確認をして、ケアを心がけることが必要になります。
ただし、食材のアレルギーなどよりもセンシティブな個人情報になりますから、軽々しく公表したりせず、本人の同意を得つつ、事情を聴きとって適切な対応を心がけてください。特に勤務に支障が出そうな場合には難しい問題があるので、判断に迷ったときは労務の専門家(弁護士、社会保険労務士)などに相談することが良いかと思います。
以上