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オフィスビルの不審者対応

 大阪駅前のオフィスビルのトイレで、ナイフで人を刺す事件がありました。
不審者への対応も会社側でできる配慮が必要です。
セキュリティ管理が十分か今一度見直しましょう。

 先日、大阪駅前にできた真新しいオフィスビルの男性トイレで、オフィスに務めている社員がナイフで刺されるという事件がありました。親和法律事務所のクライアントもいくつか入居している大型のオフィスビルですから、慌てて連絡を取りましたが、不幸中の幸いでクライアントの人たちは全員無事でした。

 最近の大型ビルでは入口にセキュリティのゲートを設けたりしていますが、それでも多くのビルでは、平日日中は入口が開放されており、不特定多数の人がオフィスの入口まで自由に入って来れますし、オフィスの中の執務スペースまで入ってこようと思ったら入れる仕様の会社もあると思います。
空港や裁判所などでは、警備員を雇って入口で、金属探知機で荷物をチェックしたりしますが、オフィスビルでは身元の確認までは行われていても金属探知機があるところはなかなか見られません。コストもかかりますしね。

 しかし、よくよく考えてみると、数年前には、心療内科クリニックに油を撒いて火をつけた男もいましたし、京都の会社でも油を撒いて火をつけた男もいました。いずれも多数の犠牲者が出ましたが、不審者が現れることは決して少なくはないということも理解しておく必要があります。

 先日のトイレでの事件などは、会社として防ぎようがあるのかと言われるとなかなか難しいのですが、それでも、社員向けのリスク管理セミナーなどで注意喚起をすることくらいはできるのではないかと思います。危険物を持っている不審者や、盗撮を試みてカメラをセットする変質者など、密室化しやすいトイレは危険がたくさん潜んでいますね。なんとなく気が緩んだりしてしまいますが、トイレは危険がいっぱいです。

 さらに言うと、オフィスに不審者が侵入してきた場合の対応マニュアルも必要です。私たち法律事務所などでは、過去に殺人事件なども起こっていますから、侵入をどのように防止するか、攻撃を受けた場合の対応、逃げるときの避難路の確認などたくさんのするべきことを事務所側として考えています。それでも100パーセントの防止になっているとは限りませんが、やはり、日頃から皆さんの会社でも考えておく必要があると思います。
特に、最初の侵入にどう対応するのか(セキュリティのためのオートロック等を含む)、避難をどうするのか(避難路に物を置いたりしていないかの確認)などは災害対応にも共通する面があるので、ぜひとも見直して頂きたいと思います。
備えあれば患いなし。自然災害から不審者まで、会社経営はリスクの連続です。リスク管理を意識した経営を心がけるようにするとよいですね。

以上

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