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助成金の不正受給に注意!

 先日、助成金の不正受給と思われるご相談を受けました。事業者がターゲットです。ご注意ください!

 先日、とある事業者の方から、助成金がもらえると聞いてサポートの契約を申し込んだのだけど、サポートセンターから話を聞いていると、事実と異なる内容の雇用契約書を作成するように指示された、言っていることがおかしいので、これ以上、お金を支払わないようにしたい、とのご相談を受けました。

 申込書兼契約書を見ると、約款が驚くような小さい文字で、改行もなくびっしりと記載されています。いったい何を書いているのか、読みにくいことこのうえありません。

 どうやら、事業所に、販売代理店の担当者と名乗る人物がきて、雇用関係助成金がもらえる、あなたのところなら、従業員1名あたり●●円もらえます!とセールストークを繰り広げたそうです。それならばと、その場で、署名捺印をして、クレジットカード決済までしてしまったそうです。初回の大きな金額と、システム利用料金として毎月一定額の引き落としです。1年契約です。痛いですね。

 話を聞くと、キャリアアップ助成金という雇用調整助成金の一種を受給する流れだったようです。有期雇用労働者や短時間労働者などのいわゆる非正規労働者を正規労働者とすることにより、助成金がもらえるというものです。

 ご相談者の従業員は、一部を除き、正規雇用であったにもかかわらず、サポートセンターの担当者は、もともと有期雇用契約であったとして、雇用契約締結日も遡って、契約書を作成しなおすようにとアドバイスをしていました。

 もし、サポートセンターのいうとおりに、虚偽の契約書を作成して、虚偽の事実に基づく申請をし助成金を受給していたならば、どうなっていたでしょうか。

 これこそ、不正受給となります。

 サポートセンターのアドバイスどおりにしただけだと言ったところで、自らの名前で虚偽の申請をしている以上、不正受給を行ったとみなされる可能性が高く、その場合には、助成金の返還が求められるほか、事業主名の原則公表や3年間助成金が受けられなくなる等の不利益をこうむります。

 ということで、相手方に対して、詐欺や公序良俗違反等に基づく契約の取消や無効を主張する内容証明郵便を送付し、契約の否定と、既払い金の全額返還を得ることとなりました。

 皆様におかれましても、悪徳業者にはくれぐれもご注意いただきますとともに、つい契約してしまった!という場合には、速やかに、ご相談いただければ幸いです

以上

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