忘年会に潜む法的リスク
楽しい忘年会ももうすぐ終わりです。
疲れが溜まってくると失敗が多くなります(リスク)。
飲み過ぎとリスク管理に注意しましょう。
このメルマガが届くころには、忘年会もピーク前後であり、読者の皆さんの肝臓も悲鳴を上げているのではないかと思います。最新の研究では、アルコールは若干量でも脳に悪影響を与えるので気を付けてください。社長も社員も、健康を害して戦力にならないことは会社にとって大きなリスクですから。
さて、お酒でリラックスして懇親を深めることはビジネスを円滑に進めるために効果があるものですが、飲み過ぎることでいろいろなトラブルが起こりがちです。
例えば、酔って転倒したり、事故に遭ったりすることもこの時期にはよくあります。労災の適用にならないケースもありますので、飲んだときほど慎重に行動する必要があります。また、気が緩んでしまって、パソコンや書類など重要なものをしまっているかばんを忘れたりして、情報漏洩が発生することがあります。情報漏洩は、忘年会の途中や帰り道で話している際に声が大きくなったりすることもありますからさらに注意喚起が必要です。人はうわさ話が好きなので、ついつい気が緩んで話がちですが、よくよく気を付けなくてはなりません。
気が緩むと言えば、飲酒運転も12月が一番多くなります。飲酒運転のリスクについてはいまさら言うまでもありませんが、飲んだら飲まないことを会社として徹底しておく必要がありますね。飲酒運転で他人を傷つけると会社に法的責任や、そこまで行かなくても風評被害も生じかねないことを忘れてはなりません。
そして、日頃押さえている気持が爆発してセクハラやパワハラが起こりがちなことは十分に気を付けてください。大阪地検の元検事正が部下に対する性的暴行事件で起訴されて、現在裁判中(無罪が争われています)なことからも明らかなように、地位のある人だからということではなくて、むしろ地位があるからこそ深刻な問題が発生することを、特に社長や上位の役職の方は意識しなくてはなりません。本人が酔っていることを考えると、お互いに節度をもって楽しんでいるかどうかを、良い意味でチェックし合える関係性を築いてもらうことが必要ではないでしょうか。
楽しい忘年会には法的リスクがたくさん潜んでいます。楽しかった忘年会が、苦い思い出に変わらないように、社長を始めとするみなさんは、アルコールの恐ろしさを十分に意識して、忘年会を主催、あるいは参加するようにしてもらえたらと思います。
最後に一つ。お酒を飲んだら必ずそれと同量以上の水を飲むようにしてください。そして、程々で切り上げる意識を忘れないことが大切です。
以上