年末年始は親族トラブルの爆発時期
年末年始は帰省などで親族が集まります。
夫婦、親子を含め親族が長時間一緒にいることでストレスも感じます。
親族間のトラブルの原因を把握し、予め対策を考えましょう。
昨年12月28日から今年の1月5日まで9連休の年末年始を過ごされた方も多かったことと思います。随分と長い休みだったと感じるのか、それともあっという間だと思ったのかは人それぞれ感じ方が違うと思いますが、夫婦や家族、さらには帰省により祖父母や兄弟姉妹と言った親族と触れ合う機会も多かったと思います。
人と人が長時間一緒にいると、どんなに仲が良いと言ってもストレスを感じるものであり、特に日頃話す機会の少ない親族などだと結構嫌な気持ちになることも正直あるものです。幸か不幸か、日頃は接する機会がほとんどない人たちとも絶対的にやり取りが必要になる場面があります。それは、親族の誰かが要介護状態になった場合と、死亡した場合です。
普段はそれぞれ自立して暮らしている親族も、ひとたび要介護状態となり自立した生活が営めなくなると、たちまち親族間で押し付け合いになります。日本の法律では公的な扶助は、周囲に面倒を見る人がいないことが前提になっていますので、例えば絶縁状態で何十年も経っている親の面倒を見るように、突然市役所から連絡が入ったりすることがあります。親族間の関係を定めている民法では、直系親族(親子、祖父母、孫の関係)及び兄弟姉妹は互いに扶養する義務を負うと定められています。実際問題として自分たちの生活もやっとなのに、面倒みることができないという本音も聞こえてきますが、法律上は助け合うことが定められているのです。さらに、これらの人が、面倒を見られない場合(あるいはいない場合)、家庭裁判所が三親等以内の親族(叔父叔母、甥姪)に対して扶養の義務を負わせることができます。
今一度、自分の親族関係を整理してもらいたいのですが、日頃から連絡すら取っていないとか、住所もわからないという親族すらいるのではないでしょうか。このような関係でも扶養の義務があるのが日本の法律であり、避けることはできません。どの程度面倒を見なくてはならないかは、もちろん自分の生活を犠牲にしてまでということではありませんので、不安な場合は専門家に相談しましょう(役所に相談すると面倒見てくださいと言われがちなので要注意です)。
また、親族が死亡した場合も、家財道具や自宅不動産の整理、葬儀、さらには財産の相続(マイナスが多いと相続放棄も考える)までたくさんやることが生じます。特に、配偶者や子どもがいない、あるいは逆に再婚していたり、親族の知らない子供がいたりする場合は要注意です。
いずれも、予め心の準備をして想定される事態のことを考えておくだけでもいざというときの対応が変わります。時間のあるときにでもまずは親族関係図の作成から始めてみてはいかがでしょうか。
以上