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災害と法律

 1月17日で阪神淡路大震災から30年となりました。
日本では災害は繰り返し起こります。
災害に強い会社作りを目指しましょう。

 平成7年(1995年)1月17日は阪神淡路大震災が発生した日です。あの日から30年。随分時間が経ったと思う一方、昨日のことのように当日のことを思い出すことができます。
 まだみんなが寝静まっていた早朝、突然家がみしみし揺れ、テレビが宙を飛んでいたのです。外に出ると戦車に踏みつぶされたように古い一戸建てが壊れており、あちらこちらで煙が上がっていました。日中もし同じような地震が起こったら、読者の皆さんは、オフィスにおられることが多いと思います。たくさんの書類がキャビネットなどに保管されていることと思いますが、大地震の時はキャビネットが倒れてきたりします。キャビネットに保管されている紙類は大変重いので、倒れてきたら簡単に人間を押しつぶしますし、即死しなくても、下敷きになると一人で脱出することは困難です。助けてくれる人がいなければ火災に巻き込まれて死亡することにもなりかねません。キャビネット等重い家具には、転倒防止のストッパーなどが発売されていますから、一般的に考えて転倒防止措置を取ることは難しいものではありません。

 ですから、もしA社はストッパーでキャビネットが倒れず社員は無事だった、B社はストッパーがなくてキャビネットが倒れて社員が怪我・死亡したという場合、B社は、損害賠償責任を問われることになります。
会社は、社員の生命、身体の安全を守る義務があり、できるはずの対応を取っていない場合安全配慮義務違反だと裁判所から言われてしまうのです。最近では安全配慮義務が良く取り上げられるのは過労死の場面ですが、もっと直接的に災害の際には安全配慮義務を果たしているのかが問われることになります(不可能なほど完璧な対応を準備しろと言っているわけではないことにはご注意ください)。

 さらに、大規模な地震などでは即時に帰宅することが困難な場合があります。そのような場合に備えて、水、非常食、毛布、カイロなどを備えておく方が望ましいと考えます。また、家族との通信を確保することが大切なので、充電用の大型バッテリー(大手家電量販店などで簡単に買えます)などがあると望ましいです。社員、特にヒールのある靴を履くことも多い女性社員には会社のロッカーに長距離を歩ける靴を用意するようアドバイスしておくこともよいですね。

 以上のとおり、社員の身体的、心理的な安全面の対策を行ったうえで、混乱が予想される業務をどのような手段で継続していくかということを考える必要があります。順番としては、社員がいないとそもそも仕事ができないので、従業員の身体的、心理的な安全を確保して業務に従事できる体制を整える(それでもいろいろな事情で業務への対応ができなくなる社員が何割かいることを前提にする必要があります)ことが大切です。どんな会社も社会に必要とされて存在しているわけですから、業務を継続することは社会的使命だと思って取り組んで頂きますようお願いします。

以上

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