2025.06.23

「うちもSNS始めようと思うんだけど…」公式アカウント運用の留意点

 今やSNSは、個人の店舗や中小企業でも手軽に情報発信ができる強力なツールとなっています。自社の商品やサービスを手軽に、直接アピールできることから、「うちでもSNSを始めてみようか」とお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、その「手軽さ」の裏には、法的リスクが潜んでいます。今回は、公式アカウントを開設・運用する際に注意したい代表的な3つのリスクと、それぞれの対応策についてご紹介します。

1 他人の権利の侵害

  まず注意が必要なのが、他人の著作権や肖像権、さらにはプライバシー権の侵害です。
例えば、ネットで見つけたおしゃれな写真やキャッチコピーをそのまま使ったり、有名人の写真を「話題作り」のために投稿したり、お客様の写真を許可なくアップしたりすることは、著作権侵害・肖像権侵害・プライバシー権の侵害となる可能性があります。
 対策としては、
– 自社で撮影・作成した素材を使う
– 他人が写っている写真や動画は、必ず事前に本人の同意を得る
– 個人情報やプライベートな内容には配慮し、投稿前に内容をよく確認する
などがあげられます。
 これらは、ごく基本的・常識的なことのように思えますが、担当者に丸投げではいけません。上記のような内容を含んだ投稿ルールを「運用マニュアル」にまとめた上、担当者に対する定期的な教育や研修を行うことが重要です。

2 炎上

 SNSでは、ちょっとした表現が思わぬ誤解を招き、「炎上」につながることもあります。たとえ悪気がなかったとしても、社会的・政治的なテーマに関する不用意な言及、特定の企業や顧客を連想させるような内容、差別的・攻撃的に受け取られる表現などは、企業としての信用を損なう可能性があります。
 このようなリスクに備えるには、
– 投稿前にダブルチェックする体制を整える
– 「この内容は発信してもよいか」という判断基準を明文化する
– 批判への反応は慎重に検討する

などが有効です。また、運用マニュアルや担当者への教育・研修が重要であることは、1と変わりません。

3 誹謗中傷や風評被害への対応

 逆に、自社がSNS上で誹謗中傷を受けたり、虚偽のレビューを書かれたりするリスクも存在します。
このような場合には、
– スクリーンショットなどで証拠を確保する
– 内容によっては、SNS運営会社や検索エンジンへの削除申請を行う
– 悪質なケースでは発信者情報開示請求や損害賠償請求も検討する
といった対応が必要です。早めに弁護士へ相談できる体制を整えておくと安心です。

まとめ

SNSは、小規模な事業者にとっても大きな可能性を持つ販促ツールです。しかし、発信には常に「法的な責任」が伴うことを意識し、運用マニュアル・教育体制・相談窓口といった基本的な備えをしっかり整えておくことが、トラブルの予防につながります。

以上



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