2026.04.27

訴状もオンラインで提出する時代になります

 裁判手続のIT化が進んでいるという話は、このメルマガでも何度かお伝えしてきましたが、間もなく大きな転換点を迎えます。

 これまで、裁判期日をWeb会議の方法で開くことができるようになったり、準備書面や書証等をオンラインで提出できるようになったりと、徐々に裁判手続のIT化が進められてきました。しかし、裁判手続のスタート地点である訴状の提出については、紙で作成して裁判所に郵送したり、窓口に持参したりする必要がありました。

ところが、今年の5月21日からは、訴状についてもオンラインで提出することが可能になります。

 オンライン提出に使われるのは、「mints(ミンツ)」という専用システムです。インターネットを通じて裁判所に書面を提出できる仕組みで、制度上は弁護士に限らず、当事者本人などでも利用することができます。

 業界的に大騒ぎになっているのは、弁護士が訴訟代理人として訴えを提起する場合には、原則としてオンライン提出によらなければならない、ということです。弁護士にとっては「使える制度」ではなく、「使わなければならない制度」という位置づけになります。しかもこのmintsというシステム、すでに準備書面などのオンライン提出で運用されているのですが、使い勝手があまり良くありません。細かい話ですが、白黒でしかアップロードできない、弁護士の補助者として登録できる事務職員の数に制限がある、などの制約があり、裁判所ですらあまり使いたがらないという噂も。裁判官も弁護士も、紙の分厚い訴訟記録にあちこち付箋を貼ったりしながら、情報と思考を整理していくトレーニングを長年積んでいるので、そもそものIT化に対する抵抗感もあるかもしれません(オンライン提出しても、結局ダウンロードして印刷して紙で保存するから、手間が増えるだけという声が多いのです)。

 それでも、5月21日以降は訴状についてもオンライン提出が原則となります。弊所でも、この新しい運用に対応するため、日々試行錯誤しながら準備を進めているところです。

 裁判手続のデジタル化は、将来的には利便性の向上につながるものではありますが、現時点ではまだ過渡期という印象もあります。現在のmintsは、移行期用のシステムだという話もありますので、適応に努め、使いやすいシステムが開発されるのを祈りたいと思います。

以上

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