コラム
その電話、本当に警察ですか?

詐欺電話は、振込詐欺だけではありません。
会社の情報も狙われてます。
電話やメールに騙されないよう社員に注意喚起をしましょう
ある日、仕事中の社員に一本の電話がかかってきます。
「警察です。あなたに犯罪の嫌疑がかかっています」
そんな電話がかかってきたら、多くの人はどきっとして冷静ではいられないでしょう。振り込め詐欺などでよく使われる手口です。
驚いたことに、最近は、高齢者個人だけではなく、会社も狙われるようになってきたのです。
先日、大阪国税局の30代の職員が、警察官を名乗る人物から電話を受け、納税者情報259件を外部に送信してしまったというニュースが報じられました。
その職員は勤務中、私用スマートフォンに「千葉県警の警察官」を名乗る人物から電話を受けました。
「捜査過程であなたに嫌疑がかかっている」
そう告げられた職員は動揺し、自身が国税職員であることを伝えてしまいます。
すると相手は業務関係の資料を送るよう要求し、結果としてパソコン内の情報を撮影して送信してしまったのです。
職員は、後日同僚へ相談し、詐欺だったことがわかったのです。
被害者は判断能力の衰えた高齢者や、知的な弱者ではありません。税務の専門家であり、守秘義務の重要性を誰よりも理解している国税職員だったと言うことが、今回の問題の深刻さを表しています。
税務署職員が騙されるとは、詐欺師はどんなに上手に話すのかと思いますね。
ポイントは、詐欺師が無知をついてくるのではなく、「恐怖」と「焦り」を利用していることです。
突然、「あなたが捜査対象です」、「逮捕状が出ています」、「今すぐ協力してください」
などと言われると、不安のあまり正常な判断力を失ってしまいがちです。
これは学歴や職業、経験とは関係ありません。経営者や士業、管理職であっても例外ではないと考えてください。「自分だけは大丈夫」、「うちの社員だけ」は大丈夫では通じないのです。
もし社員が顧客情報や取引先情報を持ち出せば、情報漏えい事故となり、会社の信用は大きく傷ついてしまいます。そんなことにならないように、社内で徹底しておきたいルールが「電話で急がされても、一人で判断しない」ということです。
警察、税務署、金融機関、役所を名乗る電話であっても、その場で情報を渡さず、一度電話を切る。そのうえで上司や同僚に相談し、公式の電話番号を自分で調べて折り返す。
この手順を徹底するだけで、多くの被害は防げますし、そもそも、電話で今すぐと言うのは詐欺だと思って対応するよう社員に注意しておくことが大切です。
詐欺師は、税務署職員でも騙すくらい言葉が巧みです。しかし共通しているのは、「今すぐ」「誰にも相談するな」「秘密にしろ」と急がせることです。
逆に言えば、相談する時間を確保できれば被害を防げる可能性は大幅に高まります。今回の事件は、国税職員でさえ冷静さを失えば騙されるという事実を示しました。
だからこそ、「自分だけは大丈夫」、「うちの社員だけは大丈夫」という考えが最も危険です。
「自分は騙されない」という思い込みを一度捨てて、慎重な対応を心がけましょう。
以上
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