2026.09.28

必見!カスハラ対策マニュアル

 2026年10月1日から、すべての事業主にカスタマーハラスメント対策が義務付けられます。

これまでも、カスタマーハラスメントから従業員を守るための取組は企業に求められてきましたが、今回の法改正によって、一定の対策を講じることが法律上の義務となります。この義務化にあわせて、厚生労働省は2026年9月、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を改訂しました。

 実は、このマニュアル自体は2022年から存在しています。改訂前のマニュアルにも、相談体制の整備や被害を受けた従業員への配慮、再発防止など、現在求められている対策の多くがすでに書かれていました。

今回の改訂で大きく変わったのは、これまで「こうした対策をするとよい」とされていた内容の多くが、会社が「しなければならないこと」として整理された点です。

  前提として、何がカスタマーハラスメントになるのかを確認しましょう。改訂版マニュアルでは、カスタマーハラスメントについて、

・顧客等の言動であること
・業務の性質その他の事情に照らして、社会通念上許容される範囲を超えること
・そのために労働者の就業環境が害されること

という3つの要件が示されています。

ここでいう「顧客等」には、一般のお客さまだけでなく、取引先の担当者なども含まれます。したがって、小売業やサービス業だけでなく、BtoBの会社でも無関係ではありません。

また、暴言や長時間の拘束といった「やり方」が問題になる場合だけでなく、契約上予定されている範囲を著しく超えるサービスを要求したり、不当な金銭要求をしたりするなど、「要求の内容」自体が問題となる場合もあります。

では、カスハラ対策として何をすべきでしょうか。義務化されるといっても、大がかりな部署を新設しなければならないわけではありません。

まず必要なのは、

・カスハラを許さないという会社の方針を明確にする
・従業員が相談できる窓口を決めて周知する
・実際にカスハラが起きた場合の対応方法を決めておく
・被害を受けた従業員への配慮や再発防止を行う

といった基本的な体制づくりです。

小規模な会社であれば、経営者自身が相談窓口になることもできます。

大切なのは、「何か起きたら、そのとき考える」のではなく、誰に相談し、誰が判断し、どのように対応するのかをあらかじめ決めておくことです。

その中でも、今回の改訂で特に注目したいのが、悪質なカスハラへの対応の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、対処を行うことができる体制を整備することが、カスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要であると明記された点です。例えば、暴行、脅迫などがあれば警察への通報を検討することになりますし、事案によっては警告書を送付したり、商品の販売やサービスの提供を断ったり、店舗への出入りを禁止したりすることも考えられます。改訂版マニュアルでは、類型別の対応例もたくさん紹介されていますので、これらを参考に対応方針を決めておきましょう。

カスタマーハラスメント対策の目的は、正当なクレームにはきちんと対応しながら、社会通念上許されない言動から従業員を守ることです。お客さまの声に耳を傾けることと、暴言や理不尽な要求まで受け入れることは別の問題です。

これまでカスハラ対応を個々の従業員や店長の判断に任せていた会社は、改訂版マニュアルを参考に、「どこまでは対応し、どこからは対応しないのか」を一度整理してみるとよいでしょう。

以上

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