コラム
酷暑は経営リスク(熱中症対策を!)

酷暑日が続きます
労働環境も厳しくなりますね
従業員が快適に働けるようにしましょう
経営者の中には、夏の部活で水飲むなと言われて育った方も多いと思います。
しかし、「暑さは我慢するもの」という時代は、終わりました。水分補給大切です。
先日7月23日には、浜松市で今年全国最高となる41.1℃を記録し、全国282地点で35℃以上の猛暑日となるなど、危険な暑さが続いています。酷暑は一時的な異常気象ではなく、企業が対応すべき経営上のリスクとなっていると言って過言ではありません。
そもそも、会社には従業員の生命・身体を守る「安全配慮義務」があります(労働契約法第5条)。熱中症は予見可能性が高く、適切な対策により防止できる災害である以上、会社が十分な措置を講じなかった場合には、安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる可能性があります。暑さで体調不良になる従業員が出ないように、会社は気をつけなくてはいけません。
国も、2025年6月から労働安全衛生規則を改正して、一定の条件下での熱中症対策が法的義務にしています。暑さ対策は、正に国家的課題になっているのです。対策の対象となるのは、WBGT(暑さ指数)28℃以上又は気温31℃以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行われる作業です。事業者には、①熱中症が疑われる場合の報告体制の整備、②作業中止・身体冷却・医療機関への搬送などを定めた対応手順の作成、③これらの内容を労働者へ周知することが義務付けられています。違反した場合には罰則の対象となる可能性もあります。
もっと言うと、企業に求められるのは法令で定められた最低限の対応だけではなく、より快適な環境で働いてもらうように心がける必要があります。
例えば、屋外作業や工場だけでなく、倉庫、厨房、空調設備が十分でない事務所なども熱中症のリスクがあります。また、高齢の従業員、持病のある方、新入社員や異動直後の社員などは暑さへの順化が十分でなく、特に注意が必要です。
実務上の注意点として、次のような対策を講じているかを確認してみましょう。
・WBGTや気温を踏まえた作業中止・休憩基準の設定
・こまめな水分・塩分補給の徹底
・空調設備や送風機、冷却用品の整備
・作業時間の見直し(早朝・夕方へのシフトなど)
・単独作業を避け、体調確認を行う体制づくり
・管理職への熱中症対応教育
これらは従業員の安全を守るだけでなく、万一事故が発生した場合に、会社として必要な安全配慮義務を尽くしていたことを示す重要な証拠にもなります。義務が果たされていない場合は、会社が損害賠償責任を負担することを経営者の方は自覚しましょう。
熱中症は「本人の体調管理の問題」と考えられがちですが、裁判では会社の予防措置や管理体制が厳しく問われます。特に、今年のような記録的な猛暑が続く状況では、「暑さは予想できなかった」という主張は通用しにくいでしょう。
酷暑は自然現象ですが、そのリスク管理は企業の責任です。従業員の命を守ることはもちろん、企業の法的リスクを回避するためにも、自社の熱中症対策が現状に見合ったものになっているか、この機会にぜひ点検されることをお勧めします。
以上
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