メルマガ Mail magazine

話が違うじゃないか!消費者と契約する際の注意点

 契約の際の話し合いの中で、話が違うと後日なることが良くあります。
事業者には説明責任があります。
慎重に対応して紛争を防ぎましょう。

 「言った、言わない」の話に始まって、「そういうつもりではなかった」、「今は状況が違う」など契約を巡るトラブルは人の世に尽きません。トラブルになると、それだけで強いストレスですし、解決にかかる時間や弁護士費用など様々なコストが発生します。私たちの事務所にも、事業者と一般人(消費者)との契約をめぐるトラブルやクレームの相談が毎日寄せられています。相談は、事業者の側からも、一般人(消費者)からも寄せられているのですが、「説明した(された)つもりだった」「そんな細かいところまで書いていなかったが常識だと思った」といった言い分をよく耳にします。しかし、契約において“思い込み”は大きなリスクです。なぜなら、裁判所は、双方の言い分を聞いてどちらかを勝たせますが、証拠があるかどうかで判断するので、思い込みだけを正しいとしてくれることはないからです。
 
 特に、事業者と一般人(消費者)では、元々の知識や能力に差があるため、消費者を保護するためのいろいろな方策が定められている点に注意が必要です。
一般人(消費者)を保護する代表的法律は、「消費者契約法」の存在です。消費者契約法は、契約をする時に情報・交渉力でどうしても不利になる一般人(消費者)を保護するために設けられたもので、事業者が誤認させたり困惑させたりして契約を結んだ場合、一般人(消費者)側から契約の取消しが可能です。

 一方で、会社間、つまり事業者と事業者の契約ではこのような保護は基本的にありません。会社の大小に関わらずお互いに対等の立場とみなされるので、契約書に多少不利な条項があっても、「自分で内容を確認した上で締結した」と見なされ、後から「知らなかった」「読み飛ばした」では通用しません。
よく「口頭でOKをもらった」「LINEで合意した」という主張がありますが、問題は“証拠”です。特に支払条件やキャンセルポリシー、納期などが曖昧なまま進むと、後にトラブルになった際に事業者側が不利になる可能性があります。録音がありますと持ってくる方もいらっしゃいますが、必ずしも合意があると評価できない場合も多いですね。

ですから、契約書や合意書が大切になります。これらは、「争いが起きたときに使う盾」のようなものですのでよく考えて対応しましょう。きちんとした契約書があることは、信頼を得ることにも繋がります。

 最近では、インターネットで簡単に契約書をダウンロードできることもあり、そのような契約書が利用されていることもありますが、十分注意が必要です。ネットで無料で拾える契約書は、当然無料を前提に公開されていますから、内容的には少なくトラブルになったときに完全に役に立たない場合もあります。例えば、「準拠法」「管轄裁判所」「損害賠償の範囲」など、実際にトラブルが起きたときに利用する条項が無かったり、あるいは相手に有利に書かれていて意味が分からず使っていたりということもみられます。契約は一つとして同じものはありませんから、標準書式を使う場合でも、自社の業務や取引内容に応じて見直すことが大切です。

 弁護士のボヤキの一つに「なんで早く言ってくれなかったの」というのがありますが、相談に来る側からすると、費用も高そうだし、怖そうだから弁護士には「何かあったら相談しよう」と考えている事業者も多いです。しかし、実際にトラブルになって双方に弁護士が入った後では、回復不能な損害を被っているケースも少なくありません。そうならないためには、契約前の段階から弁護士に契約書のチェックやアドバイスを受ける体制を整えておくことが、実はコスト削減にもつながります。

交通事故のリスクを回避するために保険に入るように、契約のリスクを回避するために弁護士に相談しましょう。なんといっても、契約は日々の業務の基本ですから。

以上

関連記事

PAGE TOP

COPYRIGHT © SHINWA LAW OFFICE ALL RIGHTS RESERVED.