加熱する就職活動!法律家の目線で見る問題点
人手不足もあって新卒就職戦線は年々過熱しています。
より良い就職を目指して学生も企業も、情報戦を展開しています。
ITの発達もありかつてはなかった様々な現象は法的に注目すべきところです。
少子化に伴う若者の人手不足は年々厳しくなっており、サイバーエージェントなどは新卒学生に対し月給42万円を提示するなど、少し前までは考えられないような金額になってきています。当然、既に入社している社員の給料水準も上げることになりますから、会社は大変ですね。
そうすると、学生の側も少しでも給料のいいところに就職したいと言うことで、人気が一部の大手企業に集中し、初任給の上昇についていけない中小企業はさらに人手不足がめだつようになっています。
就職活動に対する学生の不安を利用しようとした悪徳商法と言えるビジネスも目立つようになってきました。
インターネット上では「内定獲得率98%!」、「このノウハウで大手に内定!」と銘打った情報商材が多く出回っています。料金は数千円から数万円とさまざまですが、その実態は玉石混交です。中には、過去にネット上で収集した面接質問やエントリーシートのテンプレートを寄せ集めただけのものもあります。
このような情報商材ビジネスが問題となるのは、主に以下の点です。
- 景品表示法違反の可能性:誇大広告がされている場合、「有利誤認表示」に該当するおそれがあります。「この教材で内定確実」といった断定的な表現は、実際の効果に比して消費者を誤解させる可能性が高いのです。
- 特定商取引法違反:クーリング・オフの説明がなかったり、販売者の情報が曖昧な場合、法律違反となる可能性があります。
少しでも情報を得たい学生の不安に付け込み、法律的な知識や相談できる人が周りにいない学生に付け込むビジネスには十分気を付けてもらいたいです。なんでもネットで検索できる時代だからこそ、冷静さを保ち、慎重な判断が必要です。泣き寝入りするようでは、これからの人生を切り開いていくことはできませんね。
情報商材ではなく、生の情報を得ようと言うことで、最近では、就活生が企業の面接を録音し、その内容を投稿・共有するようなサイトも出現しています。そもそもの目的は情報共有であり、悪意はないように見えることもありますが、これにも法的な問題が潜んでいます。
- 録音そのものの合法性:日本の法律では、当事者の一方が関与している録音は、基本的に違法ではありません(いわゆる“片側同意”でOK)。したがって、就活生自身が自分の面接を録音することは、原則として合法です。
- 録音内容の公開について:問題となるのは、その内容をインターネット上に投稿した場合です。企業名や担当者名、発言内容によっては、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する可能性があります。また、企業の機密情報に関わる発言が含まれていれば、不正競争防止法違反になることも考えられます。
学生としては、共有したい気持ちがあっても、「他人の権利を侵害していないか?」という視点を忘れてはなりません。
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