契約途中で事情が変わったら?
建築費が高騰しています。
東京などはマンションに手が届きません
時間の経つリスクはどう対応すべきでしょう。
建築費の高騰が止まりません。
ビルやマンション、戸建て住宅の建築計画において、当初の見積もりから大幅に建築費が上がり、「計画時点の倍近い金額になった」という相談も珍しくなくなりました。
背景には、資材価格の上昇や人手不足による人件費の増加など、個々の当事者ではコントロールできない事情があります。そのため、「仕方がない」と感じてしまいがちですが、問題はその増加分を誰が負担するのかという点です。注文者と施工業者の間で深刻な対立に発展するケースや裁判になることも少なくありません。
同じような問題は、建築に限らず、契約から履行までに時間がかかる取引では常につきまとうものです。では、時間の経過によるリスクは、どのように考えるべきなのでしょうか。
法律の基本的な考え方としては、「契約時点で合意した内容が原則として守られる」という点があります。たとえば、請負金額を固定額で定めた契約であれば、後から材料費が上がったとしても、原則として施工業者がそのリスクを負うことになります。逆に、契約書に物価変動に応じた調整条項があれば、注文者が追加負担を求められる可能性もあります。
つまり、時間の経過に伴うリスクは、自然に分配されるものではなく、契約でどう定めたかによって決まるのです。問題が起きてから「想定外だった」と言っても、法的には通らないことが多いのが実情です。
だからこそ重要なのが、契約時点でのリスクの見える化です。
・価格を固定するのか、変動の余地を残すのか
・変動させる場合、その条件や範囲をどう定めるのか
・大きな事情変更があった場合に協議する仕組みを入れるのか
こうした点を事前に整理しておくだけで、後の紛争リスクは大きく下がります。
時間が経つ取引では、「今は問題ない」よりも「将来どうなるか」を想像する視点が欠かせません。建築費高騰の時代だからこそ、契約書は単なる形式ではなく、リスクを分け合うためのルールブックとして考えることが大切です。
世の中の変化が激しい中、見えないリスクに対応するためにも契約書でリスクを管理しておく必要が高まっています。 慎重な姿勢と、専門家への相談を忘れずに行いましょう。
以上





