大変!ビルが燃えてる!そのときビルオーナーはどうする
大阪の繁華街で、レジャービルが全焼しました。
消火活動にあたった消防士2名が亡くなっています。
ビル火災ではオーナーの責任も問題になります。
先日、大阪一の繁華街である道頓堀のビルで、火災が発生しました。ニュース等でご存じの方も多いと思います。消火活動に当たった2名の消防士が殉職するという痛ましい事故が起こりました。報道によれば、このビルには消防法違反の指摘もあったとされています(裏付けが取れていない情報なのでご注意ください)。ビルオーナーは、貴重な資産を失うのみならず、最も大切な人命を失うという重大な結果に繋がってしまいました。
火災が起こってからでは、今回のように取り返しがつかないものであり、「火災予防」を普段から意識する必要があります。
そして、火災予防に関する消防法では、以下のとおり、建物の用途や規模に応じて、ビルオーナーに義務を課しています。
1.消火設備・警報設備の設置義務
スプリンクラー、消火器、火災報知器、非常放送設備などの設置が用途・延床面積により義務付けられています。設置していても点検や整備を怠れば「設置義務違反」と同様に扱われます。この点は、テナントの属性によっても違いがありますので、賃貸借契約の際にも十分な注意が必要です(入居後トラブルになる例が多いです)。
2.避難経路の確保
非常口や避難階段を物置きにしないこと、扉を施錠しないことは基本中の基本です。レジャービルでは、しばしば食材や、酒瓶などが非常階段など普段目につかない場所に山積みになっていることが多いですが、絶対にやめましょう。実際の火災では、避難経路の確保が生死を分けます。かつて新宿歌舞伎町でのビル火災でも、避難経路がちゃんとしていなかったために、44名の犠牲者が出ました。
3.防火管理者の選任と訓練
一定規模以上の建物では、防火管理者を選任し、避難訓練を定期的に実施する義務があります。形式的に選任するだけでなく、実際に機能させることが重要です。社内に適切な人材がいなければ、管理会社等に頼むことも考えられます。
4.定期点検・報告義務
消防設備は専門業者による点検が義務付けられており、報告書を消防署に提出する必要があります。虚偽報告や未提出は違反となり、指導や処分の対象になります。消火器等も使用期限がありますから、期限を過ぎている場合はまだ使えると思わずに、すぐ交換しましょう。
消防法に違反したビルで火災が発生した場合、ビルオーナーは大きく分けて3つの責任が問われます。
1.行政上の責任
消防法違反があれば、改善命令や使用停止命令が出され、悪質な場合にはビル内での営業停止などの行政処分を受けます。
2.刑事責任
消防法違反により火災が拡大し、人命に被害が出た場合には「業務上過失致死傷罪」などが適用される可能性があります。今回のように死者も出ているケースでは、厳しく責任が問われる可能性があります。
3. 民事責任(損害賠償)
入居テナント、利用者、近隣住民などに火災そのものによる損害、火災によって発生した損害等が生じた場合、オーナーは民事上の損害賠償責任を負います。建物の不備や管理不十分さが認定されれば、億単位の巨額の賠償を命じられることもあります。
火災は一瞬で人命や財産を奪います。オーナーは、「もったいない、まだいけるからやらないでおこう」という姿勢は論外ですが、「法律で義務付けられているから仕方なくやる」のではなく、「利用者の命を守るためにやる」という意識を持つことが不可欠です。
以上





