住民票、マイナンバーカードへの旧姓併記が可能になりました。
今年11月5日より、住民票とマイナンバーカードへの旧姓併記が可能になりました。
旧姓併記は自動的に行われるものではなく、所定の請求手続が必要です。
手続にあたっては、旧姓の記載されている戸籍から現在の氏が記載されている戸籍までの全ての戸籍謄本が必要です(これが人によってはなかなか面倒です)。
また、旧姓併記の手続をすると、住民票の写しには必ず現在の姓と旧姓が併記され、どちらか一方のみを表示するということはできません。
不要になれば旧姓を削除することはできますが、いったん削除したものを再び併記することはできません。
政府の説明では、「社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な活動の場面で旧姓を使用しやすくなる」ということですが、そのわりに使い勝手はよくないですよね。
弁護士は昔から「職務上の氏名」という制度があり、結婚して姓が変わっても、旧姓を職務上の氏名として登録し、使用し続ける人が大半です。
通常の裁判業務においては、職務上の氏名を使用することでなんら支障はありませんが、様々な手続の場面で、これは職務上の氏名でよいのか、それとも本名を使うべきなのかと悩み、そのたびに関係者の方のお手を煩わせたり、場合によってはひとつ必要書類が増えたりもします。
この悩みは、旧姓続用のための制度が整っている会社に勤める人たちも同じでしょう。
女性活躍をうたうなら、早く(選択的)夫婦別姓を実現させてほしいものだと思います。