仕事は誰のためにする?
2024年から労働基準法施行規則が改正されます。
働き方の多様化に応じてた様々な条件を明示してトラブルを防止する者です。
就業規則の変更等怠りないようにしましょう。
弁護士が20名を超えた親和法律事務所では、上から下までの年齢差が40歳近くなり、ジェネレーションギャップでは済ませられないくらい働くことに対する感覚が変わってきています。皆さんの会社でも新入社員から定年前までの社員と同じような感じではないでしょうか。
在宅勤務や、ジョブ型雇用、派遣や有期契約など働き方は様々になっており、終身雇用の正社員を前提とする高齢者(失礼)層の感覚と、若い社員の感覚が異なってくるのは、単に世代の問題だけではなく、社会(働き方)の変化もあることを理解する必要があります。例えば、定年前後の社員は、定時より早く出勤して机の周りを整理し、始業の時点ではエンジン全開で働くというイメージがありますが、法律上就業時間に含まれるので残業代が発生しますというと唖然とされることも多いです(総務人事の人って大体ベテランの方が多いですよね)。
しかも、会社に対して絶対的忠誠を誓った時代から、(極端に言うと)労働は時間をお金で買ってもらうものと考える社員の増加(実は、法律上は雇用契約は労務の提供と対価の支払なので、後者の考え方になじむ)で、会社と社員の関係も言わなくてもわかるという時代は終わりを迎えています。
労働基準法とその施行規則も時代の変化に応じて改正を繰り返していますが、今年の注意点として、無期雇用・有期雇用(正社員・契約社員)を問わず、入社時(労働契約締結時)や契約内容を変更する際には、職場(就業場所)や仕事(業務の内容)などについて、雇用契約書や、雇用条件通知書などで、明確にしておく必要があります。
特に、働き方が多様になって、皆が同じ労働条件では無い会社がほとんどなので、一人一人の社員との合意(契約内容)をはっきりして誤解のないようにすることはとても大切です。そして、全ての社員との約束である就業規則も見直しておく必要がありますね。
もう一つ重要なのは時間外労働の上限規制です。運送業界では2024年問題として昨年から大問題になっていますが、建設業界も4月に特例が切れて年間の残業時間の上限が一般企業と同じになります。
昭和世代からすると、仕事は自分を磨くためのもの、時間を気にしていてはいい仕事はできないと主張したいところですが、現実の人手不足で今後も賃金の上昇が見込まれる中、仕事っていったいなんなんだろうということをもう一度見直す必要がありますね。法律的な手当も怠らないようにお願いします。
以上