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新入社員には優しく優しく

 4月は年度替わり、新入社員がやってきます。
慣れない環境で新入社員は精神的に参りやすくなっています。
指導担当や、上司は、新入社員を注意深く観察してください。

 4月に入るとニュースなどで、進学や就職の様子が取り上げられています。桜の咲く季節に新しい門出があるのは日本の美しい光景だなと感じます(就職したの何年前だろ、眩しい)。
 新入社員に対しては、先輩が指導担当で何でも相談する体制にしている会社も多いことと思います(私たちの事務所でもそうです)。何もわからず、一つ一つがストレスになる新入社員には、ナビゲーターとしての指導担当がいると、何かと心強く安心ですね。 
 しかし、熱心な指導担当ほど、逆に新入社員に厳しく指導しがちな点には注意しなくてはいけません。気合や根性といった言葉に頼りがちな指導担当になっていないか気を付ける必要があります。
 よくあるのが、同じことを言わせるな、やる気はあるのか、そんなことでどうするなど、新入社員の発奮を促そうと厳しめの言葉をかけることです。もちろん指導は甘ければいいというものではありませんから、時に厳しめの言葉になってしまうことも避けられないでしょう。しかし、物事には限度があります。職場でのやり取りは、地位に差があると反論したりしにくいため言われる側は耐えるばかりになることが多く、言われる方(今回でいうと新入社員)がストレスを溜め込みがちです。しかも、怒られることに慣れていない令和の新入社員に対しては、自分が若いころとは違うんだというつもりで臨むことが不可欠です。

 実際、上司からの連日の厳しい指導と、長時間の残業により鬱になった新入社員の遺族が会社を訴えた裁判で、会社側に7000万円の損害賠償を命じた判決があります。せっかく採用した新入社員を失い、損害賠償まですることになっては、会社も遺族も救われませんね。
 会社での上下関係を前提に、相手がストレスを感じるような指導を行い、その範囲が相当ではないと考えられると、パワーハラスメントとなりますが、新入社員の場合は、新入社員特有の問題、すなわち、ベテラン社員より打たれ弱い状況にあるということから、パワハラの判断基準について目線が下がることになります。どのあたりまでが相当な指導なのか、指導担当、上司は専門家のセミナーを受けるなどして注意するとともに、新入社員の様子をしっかりと観察しましょう(新入社員本人からは、問題を訴え出ることは難しいと思ってください)。
 新入社員が素敵な会社生活を送れるよう、みんなで配慮することを心がけてください。それが、回り回って会社の発展にも繋がります。

  以上

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