家族が「家に悪霊がついていてこのままではとんでもない不幸が訪れる。」と言い、除霊できる石を100万円で買ってきました。どうにかなりませんか。
消費者契約法は、霊感商法について消費者の取消権を定めています。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害に関するニュースが連日のように流れています。被害は入信した本人だけではなく、その子どもや親族など広範囲に及び、回復は困難を極めます。
霊感商法なんて、自分はひっかからない、関係ないと思っておられる方もいるでしょう。でも、人生、山あれば谷あり。生きていれば、辛いこと、心配なことは必ずあるものです。そういったときに、実は、その原因が、自分以外のことにあって、それへの対策ができるとなればどうでしょうか。
「色んなことがうまくいかない。それは、あなたに悪霊がついているからなんです。このままではあなただけでなく、あなたの家族全員に不幸が起こります。この数珠を身に着けていれば、悪霊を追い払って、良いことが起こります。あなただけに、特別価格でお譲りします。」言葉巧みに乗せられて、ついつい、その商品を購入しました。あとになって、おかしいと気づいても、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
いえいえ、そうではありません。
消費者契約法は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、消費者契約を締結することにより確実に重大な不利益を回避できる旨を告げることにより困惑し、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができるとしています(同法4条3項6号)。
「霊感」とは、除霊、災いの除去や運勢の改善等、超自然的な現象を実現する能力をいいます。「私には霊が見える。ご先祖様の言葉が聞こえる。」なども該当します。
また、「重大な不利益」とは、消費者本人だけでなく、その家族の死亡や病気も含まれ、「不幸になる」など漠然とした内容でも具体的事情によっては含まれます。
霊感商法にひっかかったけど、人に知られるのが恥ずかしい、どうしたらいいかわからない、など色々な事情により、諦める方も少なくないようです。どうぞ、勇気を出して弁護士にご相談ください。