司法試験からペンが消える!
司法試験・予備試験といえば、「紙とペンで長時間ひたすら書き続ける」――そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。私たちも、大量に書き続けても疲れにくいペンを探し求め、素早くかつ読みやすい文字の書き方を研究していました。
しかし、この紙とペンで書き続ける司法試験・予備試験は、今年が最後の実施となりました。ここにもデジタル化の波が押し寄せています。来年からは、パソコンを使って答案を作成することになります。
デジタル化は、コンピュータを利用して試験を行うCBT(Computer Based Testing)方式の導入によって実現されます。受験生は試験会場で用意された端末を使い、キーボード入力で答案を作成します。
このデジタル化には、いくつかのメリットがあります。まず、受験生にとっては字の汚さによる減点の心配が減り、文字入力によってスピードや修正のしやすさが向上します。紆余曲折を経てショートカットキーも使用可能となることに決まりました。修正液使用不可、二重線での訂正が求められたこれまでとは雲泥の差です。また、試験実施側にとっても、採点業務の効率化やペーパーレス化によるコスト削減が期待できます。
一方で、課題もあります。タイピングに不慣れな受験生にとっては長時間の入力が負担となる可能性があります。また、答案構成用紙は配布されるようですが、問題文そのものは紙媒体での配布は予定されていません。問題文に書き込みながら考えるスタイルに慣れた人にとっては、戸惑いがあるのではないかと思います。
もっとも懸念されるのが、システム障害や端末トラブルです。海外では既に司法試験のデジタル化が進んでいる国もあり、実際に米国の一部州ではパソコンで受験するのが当たり前になっていますが、今年のカリフォルニア州の試験でも画面がフリーズするなどの不具合が報告されニュースになっていました。
将来をかけた重大な試験で、方式ががらりと変わってしまう来年の受験生には同情を禁じ得ませんが、時代の流れとともに試験制度は変化していきます。かつては電卓が使えなかった簿記試験や、マークシートがなかった大学入試も、今では当たり前のようにデジタル化や機械化されています。司法試験のデジタル化もいずれは当たり前となり、「昔は手書きで大変だったんだよ」と昔話として語られるようになるのでしょうね。
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