社員向けだけでは足りません ― フリーランス法で問題になりやすいハラスメント対策違反
フリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス法)が2024年11月1日に施行され、1年あまりが経過しました。
フリーランス法は、発注事業者の義務として様々な内容を定めていますが、近時、行政の指導事例として目立っているのが、フリーランスに対するハラスメント対策に関する違反です。
フリーランス法では、発注事業者に対し、フリーランスに対するハラスメントを防止するための体制整備を求めています。具体的には、ハラスメントを禁止する方針を定めて周知すること、相談窓口を設置すること、ハラスメントが起きたときには迅速かつ適切な対応をとること、相談者のプライバシー保護に必要な措置を講じ、従業員およびフリーランスに周知すること、相談を理由に不利益な取扱をしないことを定め、フリーランスに周知することなどが求められています。
一見すると、従業員向けのハラスメント対策をそのまま適用すれば足りるようにも思われますが、厚労省が公表している実際の指導事例では、その点が大きな落とし穴になっています。
例えば、就業規則や社内規程においてハラスメント防止方針を定め、従業員には周知しているものの、その対象にフリーランスが含まれることが明記されていないケースです。フリーランスも明確に対象であることを示していない点が問題となります。
また、相談窓口自体は設置していても、フリーランスに対してその存在を周知していないケースも指導されています。社内イントラネットや社内掲示のみで案内している場合、フリーランスが相談窓口の存在を知ることができず、制度が実質的に機能していないと判断されかねません。
さらに、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止や、相談内容に関するプライバシー保護についての定めが不十分な例も見られます。フリーランスは契約更新や業務量への影響を懸念して声を上げにくい立場にあるため、こうした配慮を明文化していない点が問題視されています。
従業員向けの対策は整えていても、フリーランス法までカバーした内容となっていなかったり、フリーランスへの周知まではできていない会社が多いようです。改めて自社の取り組みを確認してみましょう。
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