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「こっそり」が刑事事件に!生レバから考えるコンプライアンス

 裏メニューとして「生レバ」を提供した焼肉屋さんが逮捕されました。
客が持ち帰って警察に提供したとのことです。
「こっそり」だから大目に見る姿勢が重大な問題になることに気を付けましょう。                                           

 牛の生レバを客に提供したとして、滋賀県警が飲食店経営者を逮捕しました。経営者は、メニューに記載せず、加熱処理していないレバーを生食用として常連客にのみ提供していたといい、客が持ち帰って警察に提出したそうです。

経営者は、きっと美味しいから食べてみてという親切心から出していたのではないかと推測されます。しかし、生レバの提供は、過去には死亡者の発生する事故もあるなど問題が発生して提供が禁止されているものです(読者の方も、生レバの食中毒事件を覚えている方も多いかと思います)。

今回のように、法律で禁止されている商品の提供を、表向きのメニューや通常運用から切り離し、限定的・秘匿的に行うことは、一般的に法律や会社のルールに違反してるけど、「こっそり」とやってしまうという意味ではあらゆる会社にとって有り得ることではないかと思います。こうした“裏の運用”は、よく言えば「融通を効かせる」ものとして、業種を問わず、短期的には売上や顧客満足のための「現場の工夫」として正当化されがちです。しかし、弁護士的に言わせてもらうと、コンプライアンスの観点からは、行為違法性そのものに加え、「隠す」という意思決定が、組織の統制と信頼を根本から傷つけてしまうリスクを含んでいます。

第一に、
「隠す」ことは、社内のチェックと是正の機能を失わせ、内部統制を無力化します。ルール違反を前提にした運用は、稟議・記録・監査・教育の対象外に置かれ、チェック機能が働かなくなります。結果として、違反が日常になって、誰も本当はどうなっているのかわからなくなり、リスクだけがどんどん大きくなります。

第二に、
「隠す」ことは、“発覚のきっかけ”を増やします。生レバで言うと、表メニューにない、限定客だけ、口頭で案内、持ち帰りといった運用は、情報が一部に偏って、不公平感を生み、従業員・顧客・取引先の不満や対立につながります。SNSですぐ投稿がされますし、今回のような警察への通報、トラブル時の証拠提出など、発覚するルートは多様で、コントロール不能です。「バレなければいい」ということは、最早不可能になっています。

第三に、
「隠す」ことで、発覚後のダメージが“違反行為以上”に大きくなります。行政・捜査機関の評価においては、違反の有無だけでなく、隠蔽性、反復性、社内での黙認体制などが重く見られます。単なる過失ではなく、組織的・意図的と受け取られやすく、処分や社会的非難は一段と強くなるでしょう。さらに、違法行為を隠していたことによる信用の低下は、採用・取引・金融・保険・フランチャイズ契約など多くの影響が考えられ、損失が大きく、長期化してしまうでしょう。

第四に、

「隠す」ことは、まじめにルールを守っている従業員のやる気を失わせます。現場で一部の人だけが“得をする”運用が始まると、真面目に守っている従業員ほど不満を抱き、退職や内部告発につながります。コンプライアンスは制度だけではなく会社の体質的なものですが、裏の運用はモラルを一気に崩します。

 以上のとおり、ルールを守らないと結果的に損をするのはその会社と言うことになりますので、日頃からルール違反が起こらないような仕組み作りを心がけましょう。

以上

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