幽霊が出る物件の価値は?
家を借りたら、幽霊が出ると言われる物件でした。
水道が出ないのとは違って、目に見える被害はありません。
心理的瑕疵と呼ばれるものをどのように考えたらよいでしょうか。
3月の年度末を控えて、家を買ったり借りたりして引っ越しをするシーズンがやってきました。
日本人にとって春は新しい出発をイメージさせる季節です。
春風を感じながら、新しく引っ越した家に入居すると、新生活の楽しさも増しますね。
しかし、新居に入居したところ水が出ないとか、窓が開かないなどのトラブルに遭うことも時にはあります。
誰が見ても欠陥だという時には、修理を求めたり家賃を減額してもらったりの対応をしてもらうことも、残念ながらみられます。
さらに、せっかく入居した物件で、どなたかが亡くなっていたということもあります。
例えば、病気で亡くなったが発見が遅れた孤独死、自殺、殺人事件など、いろいろな場合があります。
誰かが亡くなっていたからと言って、部屋の利用自体ができないわけではありません。
だけど、一般的には、これらの物件に好んで住む人はいませんし、実際価格や家賃を下げて貸し出すことが普通です。
判例においても、自殺があったことを知りながら、そのことを言わずに売ったり貸したりした場合に、損害賠償責任を負うというものが多数あります。
心理的な障害は、人によって感じ方も様々であり、どうしてもいやだと言う人から、まったく気にしない人までいらっしゃるでしょう。
日本人は特に神経質であり、実際事故物件と言われていても、外国人の方はほとんど気にせずに入居するのを何度も見たことがあります。
日本人は、非常に神経質であることは間違いないでしょう。
そうは言っても、事故があったことはやはり教えてほしいものです。
他方、売主や大家さんも、永遠にそのことを伝えないといけないとなると、いつの日か日本には事故物件だらけということになりかねません。
そこで、国土交通省が、ガイドラインを作成することになりました。
有識者の意見を取りまとめ、年内には、ガイドラインが作成される予定だそうです。
これによって、みんなが安心して不動産に関われるとよいですね。
考えてみると、不動産だけではなく、様々な相談の中で感情的なしこりが問題になることは、非常によく見られます(というより、感情的なことがあるから紛争になるような気がします)。
人それぞれに物事の受け止め方は違うのですが、考えてみると、法律の土俵に乗る言い分かどうかを的確に判断すること、乗らない場合も納得ができるよう説明するのが良い弁護士かどうかを見分ける一つの基準ということになるでしょうか。