画期的な商品を開発しました!広告で大々的に宣伝したいのですが注意すべきことはありますか。
消費者庁は今年1月20日、大幸薬品の「クレベリン」シリーズ4商品の広告表示について景品表示法が禁止する優良誤認にあたるとして措置命令を行いました。
良い商品を作れたならば、その良さをどんどんアピールして、たくさんの消費者に購入してほしい!というのは、企業にとっては当然のことですね。
ただし、いくら良い商品だからといって、広告になんでも書いてもよいというわけではありません。
皆さんの記憶にもまだ新しいかと思いますが、今年1月20日、消費者庁が、大幸薬品の「クレベリン」シリーズの一部商品について、その広告が不当な表示にあたるとして、該当表示をやめること、該当商品について実際よりも著しく優良であると示すものであり景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること等を命じました。
大幸薬品は、ラッパのマークの正露丸といえば、あぁ!と思われる方が沢山おられると思います。「クレベリン」シリーズは、「空間除菌ができる」として、コロナ禍において大ヒット商品となり、なんと同社の売上の8割を占める商品になっていたとのことです。
ところが、置き型を除く、スティック・スプレータイプの4商品について、消費者庁は、その合理的根拠がないと判断しました。大幸薬品の株価は急落し、同社は徹底的に争う姿勢を示しています。
景品表示法第5条第1号は、事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、①実際のものよりも著しく優良であると示すもの、②事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの、であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。
なにが「実際のものよりも著しく優良である」等に該当するかの判断は、その表示の裏付けとなる合理的根拠があるのかどうかにかかってきます。よって、商品について広告表示をする際には、合理的な根拠があるのかどうかを冷静に検討してください。
不当表示は、それが故意によるものであっても、過失によるものであっても、関係ありませんので、うっかり担当者が・・なんて言い訳は通用しません。
長年築き上げてきた消費者からの信頼を失うことは大きな損失につながります。良い商品を適切に市場に流通させる。新しい商品を扱われる際には、不当表示に該当しないか、というアンテナを是非お持ちいただければと思います。