いじめの法的責任と対策
神戸市で、教師が教師をいじめる事件がありました。
学校は、いじめが起こりやすい場所なのです。
いじめは、損害賠償請求権の発生原因や暴行・傷害にあたることもあります。
神戸市の市立小学校で、4人の先輩教師が、同じ学校の後輩教師に対して、「ポンちゃん」(ポンコツのこと)と呼んだり、激辛カレーを食べさせて身体になすりつけたりしていたそうです。
いじめられた教師は、9月から休んでいるそうです。
しかも、いじめた教師らは、子どもたちにいじめの様子を話していたというではありませんか!
これでは、子どもたちにいじめが悪いことであると教える立場である教師として失格です。
神戸市の公立小学校はアウトです。
いじめは、被害者に対して深刻な問題を引き起こします。
被害者が鬱病になって活動できなくなったり、時に自殺をしたりすることもあります。
この場合、加害者や所属組織(組織内でいじめが行われた場合)は、被害者に対して、損害賠償責任を負うことになります。
自殺など死亡事案の場合には、数千万円単位の損害賠償になってくることからも法的責任の重大性はお分かりいただけると思います。
また、心身に対する攻撃として、暴行罪や傷害罪が成立する場合もあります。
この場合は刑事責任が加害者に発生することもあります。
このように、いじめが深刻な被害をもたらすことは理解できることであり、かつ多数の報道により知られているにも関わらず、なぜなくならないのでしょうか。
そもそも、いじめが起こる代表的な現場が「学校」ということからも明らかなように、人の出入りが少ない閉鎖的な集まりの中でいじめは起こりやすいです。
残念ながら、人間は、自分と異質なものを排除し、自分と近いものだけで集まろうとする傾向があると言われているので、人の出入りがないと人間関係が固定化し、いじめが起こりがちになります。
いじめをなくすためには、人の出入りのある組織を作っていくこと、また多様性を尊重する組織風土を作っていくことが大切です。
人間は、一人ひとり違いますが、価値があることには何ら変わりがありません。
それぞれ尊重されるべき存在です。
お互いのことを思いやれる組織を作り上げていきましょう。
もう一つ大切なことは、いじめが起こりかけたときに、個人攻撃をするのではなく、冷静な話し合いの場を設けて問題点を話し合うことが必要です。
最近は、いじめ問題についての弁護士費用の保険も発売されています。
人権の専門家である第三者の弁護士に入ってもらうことも、過度に感情的にならないための有効なケースであるといえるでしょう。