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相続でよく揉めるパターン1 預金編第3回

引き出した預金について揉めないために
引き出すのは必要なお金だけに
使ったお金は領収証を、そして、メモも残しましょう。

相続預金を巡る問題点について、過去2回に渡りお話してきましたが、今回は、揉めないために一手間かけましょうというお話をしたいと思います。

まず、大前提として忘れてはいけないのは、預金はその名義人のものであり、通帳や印鑑、キャッシュカードを預かっているからといって、預かった人が自分のために使ってはいけないということです。もっと言うと、預金名義人(通常の場合や親ですね)のために良かれと思っても、株などで運用をする必要もありませんし、してはいけないのです。

預金を管理する人(息子や娘)は、あくまでも親のために必要な預金を下ろしてくるということになります。日常の生活に必要な物を買ってくる場合は、レシートなど購入の記録を残しておくということが必要です。ノートなどに貼っておくとよいでしょう。家計簿と同じ要領ですね。現金をそのまま渡す場合は注意が必要です。何月何日、いくら受け取りましたというサインをもらうようにしましょう。また、孫に小遣いを渡すとか使い道がはっきりしている場合は、それもメモしておくとよいかと思います。

次に、揉めるのは相続人(通常の場合兄弟姉妹)ですから、定期的に親の財産の管理状況について報告をしておくほうが良いでしょう。ここで問題になるのが、親の面倒も見ないやつに何で報告しないとあかんねんという話ですが、この点については、後のトラブルを避けるための保険だと思ってやっておいたほうが良いと思います。

相続で揉めた場合の難しいところはビジネスと異なり気持ちの問題が強く入るので、なかなか話し合いが進まないというところにあるのですが、トラブル回避のためにはコミュニケーションの回数を多くとっておくということが望ましいのは、言うまでもありません。自分だけで生きているわけではないこの世のことは、トラブル回避のためにはコミュニケーションを取れるかどうかということに尽きると思います。  そうすると世話をする子どもにばかり負担がかかるではないかという話になりますが、そこはまた親が遺言を書くなどの方法で相続時にきちんと実質的な公平を図ることが望ましいでしょう。もし遺言がなければ、家庭裁判所に寄与分の申し立てをすることになりますが、これはなかなか面倒な手続ですので、できれば遺言等で予め貢献度が反映することが望ましいですね。

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