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日本版司法取引とは?

カルロス・ゴーン逮捕のニュースにおいて、日産関係者との間で日本版司法取引が行われたという報道がありました。

日本版司法取引は、今年の6月1日から導入された制度です。

「司法取引」というと、自分の罪を認めるかわりに、刑罰を軽くしてもらう、というイメージを持たれるかもしれません。

しかし、日本版司法取引の内容は、少し異なっています。

自分が犯罪の嫌疑をもたれている場合に、「他人」の犯罪について捜査の協力を行い、その見返りに訴追に関し一定の恩恵を受けることを、検察官との間で合意するという制度です。

捜査の協力とは、真実を供述したり証言したりすること、証拠の提出をすることです。

「他人」は共犯者でもよく、また「両罰規定」のある犯罪(法人税逋脱の罪など、法人と個人の両方が罰せられるもの)の法人と個人も「他人」になります。

また、どんな犯罪でも対象になるものではありません。対象となる犯罪は、贈収賄、詐欺、薬物などの犯罪や、独占禁止法違反、金融商品取引法違反などが定められています。

この日本版司法取引の制度が、企業犯罪や組織犯罪の撲滅を狙ったものであるなどといわれるのは、そういうことなのですね。

社内で不正が発覚した場合には、しっかりと調査し、関係者に対して必要な処分を行うことはもちろん、このような司法取引制度があることも認識しておかなければなりません。

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