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放火で犠牲にならないために

25名の死者が出た北新地ビル放火事件は大変痛ましい出来事です。
多数が犠牲となる放火事件は、2~3年に一回は発生しています。
決して他人事ではないと捉えて、今一度、体制を確認しましょう。

 慌しい年末の12月17日、大阪の北新地にある雑居ビルで放火事件が起こり、25名もの方が犠牲となりました。謹んでご冥福をお祈りします。2019年7月には36名の犠牲者を出した京都アニメーションでの放火事件も記憶にあるところと思います。放火による殺人事件は、2~3年に一度の割合で起こっており、かつ事件の動機は一般人には理解しがたいものがほとんどなので、いつ誰が狙われているのかを予測することはできません。次は、読者の皆さんの会社かもわからないのです。

 そこで、危機を予測し、可能な対応を検討することが大切になります。

 まず、一番最初にすることは、避難経路の確認です。北新地の事件ではビルが古いためエレベーターホールと階段が同じ動線上にあり二方向避難ができない状態でした。一方から危険が迫ってきたときに反対側に逃げる二方向避難は、基本ですのでよく確認しましょう。もし難しければ、反対側の窓から縄梯子で降りることも検討してください。何か手はあるはずです。また、避難経路について、非常口や階段付近に物が置いてないか確認してください。よく、普段使わない荷物などを置いている例がありますが、消防法違反です。命に関わることだという自覚をもって空間を確保しましょう。さらに、時々は、避難経路を使用し、いざという時に使えるかどうかも確認してください。鍵がかかっていたり、ドアノブが錆びついていて開かないなどの恐ろしいことにならないようにしましょう。できたら、一か月に一度くらいは責任者は非常口からの脱出する訓練と思って、利用してみてください。

 次に、火災が発生(これは放火に限りません)したときの消火体制の確認が必要です。北新地のビルのようにガソリンに火をつけられると消火は難しいですが、消火器の場所、使用期限(意外に古いままになってます)、使い方の訓練などができてるか確認してください。火災のときに、消火器の使い方を読んでいるようでは間に合わないので、ためらいなく使えるようにできたら試してみたいところです。

 三番目に必要なのは、火災への対処や、避難についてのマニュアルと、実地訓練です。火災のような危機が迫ったとき、頭で考えずに無意識に行動ができるようにする必要があり、そのためにはマニュアルのような手順を作ること(できるだけわかりやすく)、そのマニュアルに従って実際に訓練を繰り返すことが大切になります。

 3点指摘させて頂きましたが、会社ごとに事情は異なると思います。大切なのは、他人事と思わずに備えをしておくことですね。備えあれば患いなし。

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