ツイッターの利用にご注意
SNSの中でも、ツイッターは、リツイートが簡単にできます。
リツイートで、他人の著作権を侵害すると、損害賠償の問題が発生します。
リツイートで名誉棄損になる場合もあります。
SNSは便利ですが、利用のルールがまだまだ整備されていないこともあり、いろいろと問題が起こっていることはご存じのとおりです。SNSが表現の自由をもたらすツールとして、たくさんの人々が楽しく利用できるようになってもらいたいと思います。
さて、SNSの中でもツイッターは、気軽に利用できるという点では一番ではないかと思いますが、ツイッターの機能に、リツイートというものがあります。リツイートは、他人のツイートで気に入ったものを、自分のタイムラインに乗せることができるというものですが、簡単にできることもあって、情報が一気に拡散することがしばしばみられます。
ところが、リツイートの際に元のツイートの氏名表示部分が消えてしまうため、ツイートされた写真をリツイートすると、誰がリツイートしたのかわからなくなってしまうということが起こりました。
もともとの写真(撮影者は写真家)には、著作権がありますので、リツイートした人は、著作権者(本件では写真撮影者)の氏名表示権を侵害しているのではないかということが、裁判で争われました。
最高裁判所は、リツイートが著作権者の氏名表示権を侵害したと認める判決を出しました(令和2年7月21日)。今後は、著作権者のあるツイートをリツイートする際には十分気を付ける必要があります。
また、リツイートは、ボタン一つでできることから、安易にされがちですが、リツイートをすること自体が表現行為なので、名誉棄損の責任を問われて損害賠償請求の対象になることもあります。
令和2年7月17日には、東京地裁が、煽り運転の同乗者の女だというデマをリツイートした愛知県の市会議員に対し、33万円の賠償を命じました。ボタン一つで他人の名誉を侵害して、損害賠償を命じられるのですから、リツイートには十分気を付ける必要があります。賠償を命じられたケースは過去にもあり、有名なものでは橋下徹元大阪府知事が、ジャーナリストのリツイートに対して損害賠償を請求して認められたケースもあります。
SNSは便利な道具ですが、使い方を誤ると違法とされてしまうこともありますので、個人として、また会社等の組織として、十分に気を付けてくださるようお願いします。
特に若い社員の多いところでは、セミナーなどでSNSの使い方を講義するとよいですね。