「クレベリン」不当表示で株主代表訴訟が提起されました!
一世を風靡した「クレベリン」シリーズでしたが、その代償は大きくなりそうです。
コロナ禍において爆発的ヒット商品となった「クレベリン」シリーズでしたが、その広告表示が景品表示法の禁止する優良誤認にあたるとして、消費者庁から措置命令が出されたことはお伝えしたとおりです(2022年3月14日配信メルマガ)。
大幸薬品㈱の株価は急落し、同社は徹底的に争うとして、東京高等裁判所に措置命令を仮に差し止めるよう申立てしていましたが、申立ては認められませんでした。
また、消費者庁は、大幸薬品に対して過去最高額となる6億744万円の課徴金納付命令を出しました(本年4月11日付)。
本年5月17日、大幸薬品は、株主である興和㈱が大幸薬品の代表取締役に対し損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起した旨公表しました(提訴は本年3月17日付)。興和は、大幸薬品の発行済み株式の3%を保有する大口株主です。興和は、大幸薬品の代表取締役に善管注意義務及び忠実義務違反があったとして、2021年12月期の決算期における欠損額として95億9400万円及び遅延損害金の損害賠償を求めています。
会社に監査役がいる場合、監査役が会社を代表して取締役の責任追及をするのですが、株主の求めにもかかわらず監査役がこれをしない場合に、株主自身が会社を代表して訴訟を提起するというのが株主代表訴訟です。
取締役の経営上の判断には広範な裁量が認められています。
本件では、「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」するといった広告表示を行った取締役の経営判断(意思決定)の過程、内容に著しく不合理な点があったのかどうかが争われるでしょう(経営判断の原則)。
また、裁判の経過についてご報告できればと思います。
以上