「2020年6月 改正個人情報保護法が成立・公布されました(施行はもう少し先です)」
本年4月1日、世間がコロナ禍で大変な状況のなか、ひっそりと(!?)民法が大改正されました。この改正内容については、追って、少しずつお話していこうと思っております。これとは別に、6月5日、個人情報保護法もまた改正されましたので、今回はこちらについてお話します。
改正個人情報保護法は、令和2年6月5日に成立し、同月12日に公布され、公布の日から2年を超えない範囲において政令で定める日から施行されるとされています。
改正の背景として、自己の個人情報に対する意識の高まり、技術革新を踏まえた保護と利活用のバランス、越境データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応等があります。
改正内容は多数ありますが、そのうちのいくつかをご紹介します。
個人の権利の在り方に関するものとして、
- 利用停止・消去等の個人の請求権について、不正取得等の一部の法違反の場合に加えて、個人の権利または正当な利益が害されるおそれがある場合にも要件が緩和されました。
- 保有個人データの開示方法について、電磁的記録の提供を含め、本人が指示できるようにしました(現行は原則として書面の交付によるとされています)。
- 個人データの授受に関する第三者提供について、本人が開示請求できるようになりました。
- 6か月以内に消去する短期保有データについて、保有個人データに含めることとし、開示や利用停止等の対象としました。
- オプトアウト規定により第三者に提供できる個人データの範囲を限定し、不正取得された個人データやオプトアウト規定により提供された個人データについても対象外とされました。
次に、事業者の守るべき責務の在り方に関するものとして、
漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合に、委員会への報告及び本人への通知が義務化されました。
これら以外にも、データ利活用、ペナルティ、法の域外適用・越境移転等に関するものがあります。今回の改正を受けて、事業者の個人情報保護体制やビジネスモデル自体を変える必要があるケースもでてきます。
今後、円滑な施行に向けて、政令、委員会規則、ガイドライン等もでてきますので、どうぞ、フォローしていただければと思います。