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契約書に印鑑は必要?

コロナウイルス感染症の影響で、印鑑を押すことの意味が問われています
そもそも印鑑を押すのはなぜなのでしょう?
印鑑を過度に信用してはいけません

皆さんは、結婚されたとき、婚姻届を最寄りの役所に届け出たのを覚えているでしょうか。夫と妻の両方が署名押印して、証人2名も署名押印して届け出ます。印鑑がないと自署してあっても、受け付けてもらえません。形式が重視されているのです。

では、A社とB社が、商品を売買するときに契約書に印鑑を押すことは必要でしょうか。また、印鑑は、印鑑登録されている実印でないといけないのでしょうか。

答えはNOです。そもそも、契約書がないと契約と呼べないわけでもありませんし、印鑑が押してなくても契約書が有効と認められる場合もあります。じゃあ、弁護士に契約書を見てもらう意味はないのかって思われるかもしれませんが、そうではありません。順番に見ていきましょう。

まず、契約というのは、法律が問題となる場面の約束だと思ってもらって結構です。約束には、文書での約束以外に、口約束もありますね。契約も、口約束だってありますし、メールのやり取りや、注文書と注文請書などで契約する場合もあります。要するに、婚姻届のような決まった形式はないわけです。

なぜ、人は契約書を作るのでしょう。人の約束がいい加減というか、記憶が変化してしまうことは、結婚の誓いを見るまでもなくご存じのとおりのことと思います。そこで、約束したことが後に争いにならないように、契約書を作ってお互いの認識を確認しておくのです。ですから、題名は契約書でも合意書でも覚書でも構いません。また、お互いの一致した認識が確認できれば、書面でなくてもメールでもいいのです。

さらに、作られた書類が間違いなく本人の意思に基づいていることを証明するために、印鑑が押されているのです。もともと、印鑑は、複雑な字体をもって簡単に偽造できないものでしたし、実印を公的に登録する印鑑登録制度も存在します。しかし、デジタル技術が発達した現在では、全く同じ印影を持つ印鑑を作ることは容易になっていますし、そもそも、コロナウイルスで外出自粛が先日まで言われていたのに、印鑑のために出勤していては意味がありません。現在では、インターネット上で契約手続が完了するサービスも複数存在しているくらいです。

結局、印鑑、特に実印が押してあることは本人の意思に基づくことを強力に推定しますが、それが全てではないということです。むしろ、契約書の内容や、もっと遡ってお互いの認識に不一致がないかということを常に意識することが大切だということですね。

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