養育費・婚姻費用の標準算定表が改定されました。
これまで、養育費や婚姻費用を裁判や審判、調停において定めるときには、「標準算定方式」あるいは「標準算定表」が用いられてきました。
そして、その際の結論を見越して、裁判手続外での話合いにおいても、同様の基準がベースとなることが多く、インターネットで「養育費の相場」などと検索して出てくる情報も、ほとんどがこの標準算定方式・標準算定表を参考にしたものであると思われます。
ところがこの算定方式・算定表は、平成15年に発表されたもので、その後15年以上が経過し、今の社会的実態に合わないのではないかという指摘がなされていました。
具体的には、「金額が低すぎる」「母子家庭の貧困を招いている」というものです。
そこで去年の年末に発表されたのが、「改定標準算定方式」「改定標準算定表」です。
改定前と同じく、子どもの数、年齢、双方の収入によって標準額が計算されることには変わりありませんが、係数が若干変わったために、全体的な傾向としては増額になっています(変わらないケースもありますので、ご注意ください)。
ただし、改定標準算定方式・算定表が用いられるのは、これから養育費・婚姻費用を定める場合です。
すでに金額が合意や審判で定まっているものを、「算定方式が改定されたから」という理由のみでは変更することができません。
客観的な事情に変更があり、養育費や婚姻費用を変更する必要が生じたときには、新しい算定方式・算定表を用いることになります。
なお、成年年齢引き下げによる、養育費の支払義務の終期への影響についても、見解が発表されています。
ざっくりとした結論としては、「成年年齢が引き下げられたとしても、原則として、養育費の支払義務の終期が20歳から18歳に引き下げられることはないと考えられる」ということです。
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