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「所有者不明土地」に遭遇したら?

不動産登記簿等の公簿情報を調査しても、土地所有者が判明しないいわゆる「所有者不明土地」が増加し、様々な問題が発生しています。
この問題に対処するため2018年11月に「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が制定されました。

用地買収を考え、登記簿を取得してみたけれども、百年以上所有者が変更されてない土地であったが、どうすればよいかとご相談を受けることがあります。
最後の所有者の戸籍をたどろうと思っても、記載されている情報が古く、住民票が取得できない場合等は、結局所有者がわからず、事業が頓挫することになります。

所有者不明土地が生じる典型例としては、地方に住んでいる親の死亡によって都市部に住んでいる子らに相続が発生した場合に相続人が土地を活用する予定がないため相続登記がなされないまま放置され、時間の経過により更なる相続が発生し、所有者が調査できない状況になるという場合です。

このようないわゆる「所有者不明土地」に対応するために、新たに法律が制定されました。

この法律では、まず「所有者不明土地」を「相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地をいう」と定義されました。

そして、この法律に基づき、今後は、地域福利増進事業のために「所有者不明土地」を使用することができるようになりました。
また、現在でも「所有者不明土地」については、不在者財産管理制度や相続財産管理制度を利用して、管理を求めることができましたが、法改正により、一定の場合には地方公共団体の長も管理人の選任を申立てることが認められました。

今後も、所有者不明土地の対応に関して新たな制度改正が予定されていますので、法改正があれば、またお伝えします。

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