元SMAPの3人からみる契約の拘束力
近年、芸能人が、所属芸能事務所と契約条件について揉めて、独立騒動を起こしたり、互いに損害賠償請求をしあったり等、紛争になるケースが増えているようです。
紛争が起きる原因はどこにあるのでしょうか。
元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛の3名が長年所属したジャニーズ事務所との契約を期間満了で終了し、新たにサイトやTwitterのアカウントを立ち上げました。
芸能事務所との契約については、長期間、不利な条件でタレントが拘束されているとして、裁判沙汰に何度もなっていますが、今回は無事に契約期間満了で退社となったようです。
一般的に、タレントと事務所の契約は専属的(独占的と思ってください)所属契約となっていますので、契約期間中は、タレントが自由に出演する番組などを選ぶことはできません。また、芸名についても所属事務所がその権利を保有し、契約終了後よそに移籍しようとしても芸名を使用できずに改名するケースもあります。
これらの契約についてはその内容が余りに一方的すぎるとして、無効であるという裁判も何度か起こされていますが、事務所側も人や資金を投入してタレントを育てているので、よほど一方的な内容でない限り有効とされることが多いです。
ここで皆さんにも知っておいて頂きたいのは、自由な社会では、契約をするかどうか、さらにどのような契約をするかということは、本人が決定することができるということです。これを契約自由の原則と言います。後になって、そんなつもりではなかったということはできませんので、契約をする前にはよくよく弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
もう一つ、契約をどのようにすれば有利にできるかということは、最終的には力関係によるということです。
力の強い方は、嫌だったらやめるよということを言えば、力の弱い方は折れざるを得ないからです。契約の交渉をするときは、自分が力の強い立場か、それとも弱い立場か、冷静に判断して、弱い立場であれば弱い立場なりに、どのような交渉ができるか考える必要があります。逆に強い立場なら、妥協せずに自分に有利な解決を目指しましょう。