制服の着用と勤務時間
会社の一体性や、お客様への印象を考えユニフォームを着用することがあります。
ユニフォームの着用が嫌な人もいるでしょう。
着替えるのが遅い人への指導はどうしたらよいでしょう。
銀行の窓口や、引越し屋さん、飲食店など、制服を着用している職場は多くみられます。もっと言うと、男性サラリーマンなどがスーツを着用するのもある種の制服と言えるかもしれません。最近のIT系企業などで自由な服装の会社が増えているのを見ると、羨ましく感じたり、服装を自分で決めることってセンスが問題なので大変だなと感じたりします。
最近の若い人の中には、制服がおしゃれでないということで着用を拒否する人もいるかもしれません。着用を拒否された場合はどうしたらよいのでしょうか。
まず、制服の着用自体は、会社として義務付けることができます。組織として一定のイメージを作るためのコントロールは外見も含めて認められるものであり、個人の基本的な自由を侵害しない限り、制服の着用は可能です(すごくセンスが悪くて、気分が悪くなるような制服だとどうしようってことは思いますが、、、)。
ですから、制服の着用を拒否する社員に対しては、就業規則に従って罰則等を課すことが可能になります。最初は、口頭または文書での注意から、絶対に従わない場合はさらに重い処分になりますが、配置転換で対応することも考えられるので、例えば解雇のような重い処分ができるかは微妙なところです。
次の問題として、制服を着用するためには着替えの時間が必要なことがあります。この時間は、人によって違いますし、着替えをだらだらされるのは本当にいらいらします(お子さんのいる方なら、職場の話としてでなくても理解されると思います)。
着替えの時間は、労働時間としてカウントすべきなのかと言う問題があるのですが、最近の裁判例で、制服の着用が義務付けられている会社(引越し屋さん)において着替えと朝礼の時間は、労働時間としてカウントすることが認定されたケースがあります。
日々の着替え時間も一か月の単位で合計すると結構な時間になりますから、着替え時間を含む労働時間の設定(場合によっては固定残業代の支払も検討)と給与体系の構築が重要になってきます。法律と財務の両方の知識が必要ですので、一度社労士や弁護士と相談してみるのが良いと思います。
後から残業代請求されると、損害金なども支払わされたりして大変な目に遭ってしまうこともあるので、十分ご注意ください。