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従業員、執行役員、取締役の違いって何?

肩書のない名刺って、なんだか貫禄がありません。
執行役員って肩書の名刺もずいぶん増えました。
執行役員については明文がないので税務上注意が必要です。

 日本人は名刺が大好き、そして、名刺には肩書が必要です。名前だけの名刺って余程有名な人でない限り、なかなか理解してもらえません。盛り込まれている情報として不可欠なのが、会社名、そして会社でのポジションを示す肩書です。

 ツバス→ハマチ→メジロ→ブリと名前の変わる出世魚のように、係長→課長→部長→常務→専務→社長と肩書も変わって行きます。

 ところで、名刺の肩書に「取締役」と書かれているのを見たことがあると思います。取締役は、法律上明確な位置づけがあり、株主総会の決議により選任された取締役会の一因です。取締役は、業務を執行する代表取締役などの業務を監視し、会社としての意思決定を行うのが仕事になります。

 ところが、実際には、会社の中で出世が行われていることもあり、取締役と言っても社長(代表取締役)の言いなりということも少なくありません。そこで、業務を行う人(社員)と、業務を監督する人(取締役)を分けて、執行役員と言う制度ができました。

 ところが、執行役員は、従業員なのか取締役なのか、両方の性質を有しているため税務上の取扱いで悩む場面が見られます。

 例えば、従業員が退職金をもらって取締役になる場合は、退職金を退職所得として取り扱うことは当然です。取締役は、従業員のように身分保障もされず、2年程度の任期満了でお払い箱になるかもわからないという違いがあるからです。

 従業員が執行役員になるときに退職金をもらったとき、役員に変わるわけだから退職所得として取り扱っていいのか、それとも同じ従業員だからボーナスのような扱いにするのかということも問題になります。税務上の取扱いとしては(通達があります)、執行役員は役員ではないことを前提としたうえで、執行役員就任前の従業員としての扱いと、質的に異なるような場合(いくつか条件があります)には、退職金は退職所得として取り扱ってよいということが定められています。

 また、取締役が執行役員になったり、執行役員が従業員になったりすることもあります。この場合に退職金が再度支払わる場合もありますし、給与をどのように定めるかということも問題になります。特に給料が下がる場合にはいくつも裁判例があるので注意してください。

 このように、肩書(社内での地位)が変更になる場合、それに伴う法律上税務上の取扱いが変わってきますので、慎重に考えて変更しましょう。

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