業務委託の難しさ
中小企業では、全てを自社で賄うことは難しく、業務を外部に委託します。
システムの開発や、製造に必要な部品の製造など、業務委託は避けて通れません。委託先とのトラブルを避けるためにも、事前に契約書で内容を詰めましょう。
日々の業務を行う中で、自分の会社の社員や設備で何もかも行おうと思っても、システム開発のように専門性が高かったり、コストの面で外部にお願いしたほうがよかったりと言うことで、第三者に仕事の一部をお願いすることがよくあります。例えば、先ほどのシステム開発などはその代表であり、その他にも貸しビル業者が管理や警備(オフィスでもセコムなどを頼むことが普通ですね)を外注することなどがあげられます。
一言でまとめると、会社にとって業務委託契約は不可欠になっているのです。
では、業務委託についてきちんと契約書は作られているでしょうか。業務委託に伴ういろいろなトラブルを回避するためには、契約書を作成しておく必要があります。
一番大切なのは、委託する業務の範囲や内容をできるだけ詳しく定めておくことです。
つまり、何を頼んでるのかと言うことですね。頼む側(委託者)は、あれもこれもとリクエストしてしまいがちですから、頼まれる側(受託者)としては、業務の範囲を明確にしないと負担が重くなってしまいます。
こうなると、業務を続けられませんと言うことになって、結局、委託者も受託者も損をすることになりますから、きちんと決めておくことが大切になりますね。とはいえ、契約書を作る段階で何をどこまでと言うのはイメージできていないこともありますから、経験豊富な弁護士等に相談しながら契約書に落とし込むのが良いと思います。
また、最近増えてきているトラブルに、委託者と受託者がお互い初めての取引であることがあります。
かつては、知らない会社と取引することは少なかったのですが、最近では、インターネットを通じて知り合った会社にお願いをすると言うこともよくあるので、相手がどんな会社かわからないということもよくあります。
そうすると、頼んだけれど仕事がきちんとしてもらえないということもありますし、途中で投げ出したまま夜逃げされることもあります。相手がどんな会社かは、慎重に検討しなくてはなりません。
とはいえ、日々の業務を進めるためには、慎重になり過ぎて何もしないというわけにも行きません。
そこで、自社のリスクを減らすために、契約書に、損害賠償、相殺、期限の利益、解除などの条項(詳しくはお問い合わせください)が整備されているかどうか、今一度確認する必要がありますね。
業務委託先の倒産や情報漏洩など、委託者にとって身も凍るようなリスクはすぐそこにあります。転ばぬ先の杖として、契約書のブラッシュアップをこの機会に行いましょう。