サブスクリプション契約にご注意
インターネットを見ていたら、今なら定価1万円の人気の健康食品が90%割引の1000円で購入できるとの広告があったので契約しました。ところが定期購入コースだったようで解約できません。
サブスクリプション契約とは、月額料金等、定期的に一定額を支払うことにより、契約期間中、商品やサービスの提供を受けることができるというものです。
もともとは、動画、音楽、ゲーム、ソフトウェアなどのデジタル系のサービスを受けるための契約形態として使われることが多かったのですが、最近では、ファッションや自動車など非デジタル系のサービスを利用できるサービスや、従来から定期購入など呼ばれていた継続的に商品を購入する契約についてもサブスクリプション契約という言葉が使われるようになってきました。
小さなパソコンともいえるスマートフォンが普及し、インターネットで簡単に契約ができるようになった今日。欲せずとも、その画面には、大量に広告が表示されます。そのほとんどが契約を誘引するものであり、買う気がなかった、興味がなかった商品の広告を、いつのまにか見ていたという経験もおありではないでしょうか。
昨今、非常に問題となっているのが、冒頭のサブスクリプション契約形態をとった商品購入トラブルです。広告で大きく表示されるのは、「90%オフ」「無料」「今だけ」などといった消費者の興味をひく言葉です。1万円の商品を1000円で購入できるならば、興味がなくても買ってみようかと思うわけです。ところが、実は、定期購入となっており5回購入しないと解約できない、結局、2回目以降は定額での購入をする羽目になった等の相談が全国の消費生活センターに多数寄せられています。
そこで、昨年、特定商取引法の一部が改正され、本年6月1日から施行されました。
改正内容のうち、サブスクリプション契約に関するものとしては、
①申込の書面や最終確認画面において提供するサービスの期間・回数・料金(無料プランから有料プランへ切り替える時期や途中から金額が変わる場合の時期やその金額等)などの法定の記載事項を表示しなければならず、かつ、これらの事項について誤認させるような表示をしてはならないこと
②これらに反した表示により、消費者が一定の事実を誤認し、申し込みをした場合には、その意思表示を取り消せること
③申し込みの撤回または解除を妨げるために、これらに関する事項について不実の告知をしてはならないこと等です。
また、本年6月1日に消費者契約法も改正されています(施行はまだ先ですが)。
サブスクリプション契約は簡単に申し込みできるがゆえに、検討が不十分なまま、クリック一つで契約してしまうリスクがあります。気になったとしても、一日置いてから契約する、意図しない内容の契約をしてしまった場合にはただちに弁護士等専門家に相談して善処されることをおすすめいたします。