メルマガ Mail magazine

ENEOSでトップのセクハラが続くのはなぜ?

 石油元売大手ENEOSで系列会社の社長がセクハラにより解任となりました。
 本体のENEOSホールディングスでも、会長、社長が立て続けに問題を発生させています。
 会社の文化や風土が常識からずれていないかチェックしましょう。

 車に乗っていると誰もが一度は目にしたことがあるであろう「ENEOS」ブランドのガソリンスタンド。私もお世話になっております。ガソリンスタンド自体は、「ENEOS」ブランドを利用しながら経営する別の会社なのですが、広く一般に知られた会社ですね。東京証券取引所ではプライム市場に上場しており、株式時価総額は1兆9300億円という超大企業です。

 日本を代表する会社の一つであることは間違いないのですが、近年は女性に対するセクハラなどで話題になっておりとても残念な状況です。

 最初は、一昨年(2022年)に当時のCEOが沖縄出張の際飲食店の女性に対し性加害行為を働いてけがを負わせたというものでした。初めてニュースに接したとき、立場ある方がそんなことする?と思いましたが、会社として事実関係を調査したうえで公表されているので間違いないでしょう。

 二つ目は、昨年12月に社長(代表取締役)が懇親会で酔っ払って女性社員に抱きついたなどとして、解任されました。同席していたのがコンプライアンス担当責任者の副社長ということもあり、しゃれにならない結末です。社長は解任、副社長は辞任になったとのことです。

 三つめは、今年の2月21日付でグループ会社の会長が懇談の場で女性社員の体を触ったというものです。会長によれば酔っていて記憶にないということですが、言い訳にはなりません。

 相次いで同じ会社、それも日本を代表する会社で発生した問題事象には、日本社会の問題点の縮図があるように感じます。石油業界は保守的な風土があり、男女平等に対する意識が薄いのではないかということが根底にあると思われます。さらに言うと、日本は先進主要国で最も男女の平等がなされていないということにも繋がっているのでしょう。

 はっきりいうと、今回の一連の事実は、強制わいせつやら暴行やら犯罪の構成要件に該当するもので、言い訳の余地はありません。ENEOSグループには、徹底した社員教育と会社の風土の改革を行っていただきたいと思います。具体的にはディスカッションを含むセミナーの複数回の実施や、積極的なヒアリング、女性の管理職への登用を進めることなどにより、意識自体を改革しなくてはなりません。

 みなさんの会社でも、当たり前だと思って社内で行われていることが、社会全体から見たらとてもおかしなことになっていないか、冷静に第三者的な目で見直してみる必要がありますね。

  以上

関連記事

2017.10.02

元SMAPの3人からみる契約の拘束力

近年、芸能人が、所属芸能事務所と契約条件について揉めて、独立騒動を起こしたり、互いに損害賠償請求をしあったり等、…

2022.08.08

ドラマ「競争の番人」

7月11日から「競争の番人」というTVドラマが始まりました。これまでほとんどドラマ化されたことのない公正取引委員…

2018.12.10

NHKの受信料を払わないとどうなるのか?

昨年12月、NHK受信料に関して、最高裁で判断が下されました。 放送法の合憲性など色々と難しい議論はありますが、…

PAGE TOP

COPYRIGHT © SHINWA LAW OFFICE ALL RIGHTS RESERVED.