残業代を払わないと罰金に?
違法な残業で、社長が罰金をうけることもあります。働いた分、給料を払うのは当然です。コンプライアンスを意識した経営を心がけましょう。
飲んだ後のラーメンはとても美味しく感じますが(身体に悪いのも事実)、ラーメン屋で働いているバイトの人は、遅くまでお疲れさまだなと思いながらスープをすすっていることがあります。まあ、自分も残業して飲食店がほとんど閉まっていてラーメンを食べているというのもあるのですが。
みなさんもそれぞれひいきのラーメン屋があると思いますが、ある有名なラーメンチェーン店で、残業代が未払であることが問題になりました。
残業代が未払の場合、割増賃金を法律に従って払う必要があります(深夜帯は割増率がアップします)し、裁判になった場合、さらにその倍を払わないといけなくなることもあります。また、労働基準監督署が立入調査を行って、会社の従業員全体の未払残業代を払うケースなどでは多額の負担が発生しますし(そもそも払わなくてはいけない)、残業代を支払うよう是正の命令を受けることになります。
日本の会社の場合、日頃から従業員のサービス残業みたいなもので成り立っているところも多いのですが(特に中小企業)、働いた分はちゃんと給料を払うのが当然のことであり、その分を価格にうまく転嫁しないといけないですね。
さて、ラーメン屋に話を戻すと、残業代を払っていなかったラーメンチェーン店では、月45時間の残業時間の届出を労働基準監督署に行っていたのに、実際には100時間程度の残業があったようです。このチェーン店は、外にも衛生面で問題があって保健所の指導を受けたり、売上の過少申告で税務署に修正を求められたり、外国人留学生の不法就労で問題が山積みのようです。
そして、時間外労働が違法に行われていたことにより、労働基準監督署から指導が入っていたにもかかわらず、指導に従わず改善が行われていないと判断され、とうとう会社と社長が、略式起訴され、それぞれ20万円の罰金になっています。
裁判所で罰金が科されると、罰金自体の支払も大変なうえに、会社自体の信用にも影響し取引条件の悪化や、コンプライアンスに厳しい金融機関が融資を引き揚げるなどということにもなりかねません。
今回の事例はニュース等で報道されていることもあり、ご存じの方も多いと思いますが、他の会社の話だと思わずに、自社の中でも少しでも問題が発生していないか日頃から心がけることが大切です。コンプライアンスをいったん守らなくなると、次々と問題が大きくなっていき、がん細胞のように広がっていきます。早期に改善ができないと会社自体の存亡にも関わってきますので、十分に注意して弁護士など外部の専門家に指導を仰ぐなどの対応に努めてください。
以上