ハラスメントが起こりやすい職場とは?
「うちは完全成果主義!数字を出せばちゃんと評価するし、失敗すればペナルティを受けてもらう」
「数字を出すために夜討ち朝駆けは当たり前」
「ろくに仕事もできないのに有休なんてもってのほか」
「ハラスメント防止規定などつくると、みんながギスギスするからやらない」
どきっとしたもの、ありませんか?
4月30日,厚生労働省から「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書が公表されました。
4年ぶりの調査(令和2年10月実施)ですが,全体的な傾向として,セクハラの相談件数は減っているものの,パワハラや就活等ハラスメントなどは減っているとはいえないようです。
さて,同報告書では,パワハラ・セクハラが起こりやすい職場の特徴として,次のようなものがあげられています(労働者側の回答)。
- 上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない
- ハラスメント防止規定が制定されていない
- 失敗が許されない/失敗の許容度が低い
- 残業が多い/休暇を取りづらい
そして、ハラスメントの解決・予防に「積極的に取り組んでいる」「取り組んでいる」「あまり取り組んでいない」の中で、「積極的に取り組んでいる」と回答した企業に勤務している労働者が、ハラスメントを経験した割合が最も低いという結果も出ています。また、ハラスメントの解決・予防を進めた副次的な効果として、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しがよくなる」と答えた企業が3割を超えています。上記のとおり、コミュニケーション不足は、ハラスメントが起こりやすい職場の特徴としてあげられていますから、ハラスメント対策に取り組むことで、ハラスメントを起こりにくくする好循環に入ることができるといえそうです。
では、どのような対策を取ればよいのでしょうか。
同報告書によると、取り組んでいる企業が多いのは、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」、「相談窓口の設置と周知」、「事実関係の迅速かつ正確な確認」です。つまり、
- ハラスメント防止規定を制定し、周知する
- 相談窓口を設置し、周知する
- 相談を受けたら、速やかに事実確認を行う
ということです。もちろん、他にも取り組むべきことはたくさんあるのですが、まずはここからスタートして、「ハラスメントは許しません」「ハラスメントの相談を受けたらきちんと対応します」と企業側の姿勢を示すことが大切です。