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改正会社法が本年3月1日より施行されました(前編)

改正会社法(令和元年12月4日成立、同月11日公布)が本年3月1日より施行されています(ただし株主総会資料の電子提供制度の創設等については来年中に施行予定です)。どのような改正がなされたのでしょうか。今回は前編です。

今回の会社法改正は、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化を図ることを目的とするものです。これにより日本企業のコーポレート・ガバナンスが更に向上し、日本企業の競争力や日本企業に対する内外の投資家からの信頼がより高まるものと期待されています。

最初に、株主総会に関する規律の見直しがあげられます。

まず、①株主総会資料の電子提供制度の創設です(改正法325条の2。来年中の施行予定)。株主総会資料を自社のホームページ等のウェブサイトに掲載し、当該ウェブサイトのアドレス等を書面により株主に通知することによって株主総会資料を提供することができます(掲載開始日は、株主総会の日の3週間前の日又は招集通知を発した日のいずれか早い日とされます)。これまでの郵送に伴うコストや労力が削減できるとともに、早期に充実した内容の資料を提供できるようになることが期待されます。電子提供制度を用いる場合には、定款への定めと登記をする必要があり、招集通知の発送期限が公開会社非公開会社を問わず株主総会の日の2週間前となることに注意が必要です。

また、②株主提案権の濫用的な行使を制限するため、株主が同一の株主総会において提出することができる議案の数を10までとする上限が設けられました(改正法304条4項)。

 次に、取締役等に関する規律の見直しがあげられます。取締役の報酬等の内容の決定手続等に関する透明性を向上させるとともに、株式会社の業績等に連動した報酬等を適正かつ円滑に取締役に付与することができるようにしました。取締役の報酬については、取締役全員の報酬総額を株主総会で決議し各取締役の報酬の決定は取締役会に委ねるのが一般的な運用となっています。①今回の改正では、上場会社等において、定款の定めや株主総会の決議で取締役の個別の報酬等の内容が具体的に定められない場合には、その内容についての決定に関する方針を定めなければならないとされました(改正法361条7項)。方針とは、報酬の種類ごとの算定方法やその額の割合、時期・条件等です(改正法施行規則98条の5)。②また、取締役の報酬等として当該株式会社の株式又は新株予約権を付与しようとする場合には、定款又は株主総会の決議により、その上限等を定めなければならないとされました(改正法361条1項3号、4号)。

その他にも注目すべき改正点があります。次々回の後編にてお届けいたします。

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