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台風や強風の被害の責任

先般の台風による被害者の方にお見舞い申し上げます。
台風等により風が吹いて被害が大きく生じるケースが増えています。
不可抗力なのか、本人の責任なのか微妙な場合があります。

先日の台風15号は千葉県を中心に大きな被害をもたらしました。
未だに停電の続いている地域もあり被害者の方にお見舞い申し上げます。

今回の台風の被害の映像で一番影響が大きかったものとしては、ゴルフ練習場の鉄柱が倒れて周辺の家が大きな被害を受けたことです。
昨年大阪を襲った台風では、タンカーが関西国際空港への連絡橋に衝突し、不通になったのを思い出します。

今回の場合、ゴルフ練習場にはどのような責任が生じるのでしょうか。
隣家に対する損害賠償責任が発生することが考えられますが,練習場側は、台風という天災が原因であり、不可抗力だという抗弁を主張することが予想されます。
どちらの主張が認められるかは詳しい事実関係を確認してみないと何とも言えませんね。
仮に練習場に責任があるとすると住宅の建替費用が発生することも考えられるので、相当な金額の賠償責任が生じることになります。

昨年の大阪の台風でも看板や屋根が飛んで人的・物的被害が生じたケースがありました。
台風の勢力自体はそれほどでもなくても,自転車に乗っていてふらついたり、傘が風で飛ばされたりして、周りの人や物を傷つけてしまうケースがあります。

台風などにより強風が吹く場合には、思わぬ場面で損害賠償責任を負うことになりかねないので,周囲に対してはより一層の注意が必要です。
老人や子ども、女性など体力的に風に負けてしまう虞のある方は、特に注意が必要です。

また、日常生活などでも人は思わぬ場面で、他人や物を傷つけてしまう場合があります。
場合によっては大きな問題が生じて、高額の賠償請求になることもあります。
例えば、ぶつかった相手が頭を打って意識不明となったりすると、賠償金額が1億円を超えるようなことも考えられるのです。
そこで、損害保険に加入しておいて、もしもの場合に備えておくことが大切になります。

何事も備えあれば憂いなしです。
日ごろから自分の周りにあるリスクに気を付けるようにしましょう。

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