実家の相続を放置したら罰金?
少子高齢化で、不動産所有者の相続が大量発生しています。
相続人が複数の場合共有状態になり、管理が困難になります。
相続登記の放置への罰金も検討されています。
田舎に一人暮らししている、父、母、叔父、叔母など近い将来相続が発生するかもしれない高齢者は増加する一方です。
高齢者は持家志向も強いため、自宅を所有している割合が非常に高くなっています。一人暮らしの高齢者が亡くなると、その自宅は相続されるのですが、多くは築年数も経っており不動産の価値は相当程度低下しています。さらに、相続人が居住するのには建物が古かったり、所在地が遠く離れていたりして、相続によりもらったというよりも、お荷物を抱え込んでしまうことも多いのではないでしょうか。
その結果、大量の空家が発生し、今や社会問題化していると言っても過言ではありません。
さらに、相続人が一人ではなく、複数いる場合がほとんどであり、意見の集約が難しくなることも多く、時間だけが経過して不動産の価値がどんどん下がり、固定資産税の負担などで相続人同士がけんかになることも少なくありません。
本来であれば、相続人は速やかに遺産分割を行い誰か一人に所有者を決めるべきなのですが、お葬式、四十九日などを行っているうちに時間が経ち、さらに、被相続人に対する感情や相続人同士の感情もあって、なかなか方向性が定まらないことも多いです。
そして、不動産に価値がないと、そのまま相続登記もされず、所有者がわからないといったことになることも多くあります。
国も問題点に気が付いて、相続が発生したときに相続される不動産についてどのような処理を行うべきか議論が始まっています。
先日行われた民法改正の議論では、相続があった不動産については原則として被相続人の死亡を知ったときから3カ月以内に相続登記を行わなくてはならないということが議論されています。死亡(通常、死亡があれば相続人は連絡等により割とすぐ気が付きますが)があってから3か月というのは、49日の段階で残り一月半程度しかなく、かなりバタバタした感じであることがお分かり頂けると思います。
もし現在の案が国会で可決されたとすると、3ヵ月以内に相続登記ができないと過料10万円が相続人に課されることになるそうです。欲しくもない相続不動産のために登記手続の費用を払って過料を避けることはどれくらい実効性があるのかはやや疑問もありますね。
いずれにせよ大切なことは、不動産の相続登記がなされないままになっているケースが極めて多く何とかしなくてはならないと思われていることです。 不動産を相続したら、権利関係を速やかに整理して、処分することを考えたほうが良いですね。