出会いより別れが大変!企業提携の解消に注意!
富士フィルムがゼロックスとの提携を解消しました。
人間関係もそうですが、出会いより別れは大変です。
解消時の契約の条件をどうするかよく考える必要があります。
富士フィルムが、ゼロックス(米国)との提携を、2021年の3月で解消することを発表しました。
弊所もお世話になっていましたが、コピー機の富士ゼロックスなど、両社の提携は、双方に大きな利益をもたらしてきました。
富士ゼロックスのコピー機は、画質が本当に良くて重宝したのを思い出します(法律事務所は書類の山になるくらい大量にコピーをするので、信頼性が高いのは本当に助かります)。
元々は、富士ゼロックス(提携解消で富士フィルムビジネスソリューションに社名変更予定)の株式を巡る問題等があったようですが、提携関係についてはいつかは解消するときがやってきます。
よく似た例では、外資系の会社が日本に上陸するとき、最初は日本の会社と提携して進出するものの、何年かすると単独資本に切り替えるという例があります。
バーバリーと三陽商会などの例が有名ですね。
三陽商会は、バーバリーというブランドを失ってだいぶ苦戦しているようです。
弊所の相談でも、当初契約するときに、これ以上の好条件は考えられないので契約解消することはないだろうと、契約の終了に関する条項(期間や、解約条件)をばっさりと削ってしまったお客様がおられます。
その後どうなったかというと、もっといい条件を出す企業が出て来て乗り換えたいけど、契約に縛られていて乗り換えられないという相談でした。
だから言わんこっちゃないですよって感じですが、契約は契約です。
新しい合意ができない限り解消は簡単ではありません(最終的にこの相談は先方から解消申し出があってなんとか解決ができました)。
提携契約を結ぶときは、前向きな話で盛り上がっていますので、契約の終了に関する条件の詰めがおろそかになりがちです。
まるで、恋に落ちた二人が、別れるときの清算の話を決してしないように(言い過ぎかな)。
まず、契約の期間をきちんと定めましょう。
長すぎては、途中で事情が変わった時に対応できません。
短すぎても提携の果実を得られません。
慎重に考えましょう。
途中解約の条件も決めておく必要がありますね。
こちらが設備投資をする場合には、一定期間は解消できない(あるいは違約金を定める)ことも必要です。
さらに、提携に伴ってお互いの商標や設備、流通網などを使用している場合もありますので、契約の終了時にはどのような処理をするかも大切になります。
備えあれば憂いなし。
形式的なことだけでなく、魂のこもった契約を作るよう心がけましょう。