労働審判申立書が届いたら?
最近、労働審判が申立てられることが増えてきました。
労働審判は、申立書が届いてから1か月が勝負の分かれ目です。
労働審判手続は、平成16年4月に制定された労働審判法によって創設された手続です。
労働者と使用者との間の紛争(解雇無効、残業代請求等)が対象で、労働審判官(裁判官)1名と、労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員(労働者側・使用者側各1名)から成る労働審判委員会が審理を行います。
労働審判手続は、原則として3回以内の期日で審理されることになっていますが、第1回期日までに提出された書面と、第1回期日でのやり取りでほぼ委員会の心証が形成され、審判官等から、当該心証に従った調停案の検討を求められます
申立人(多くの場合、労働者)であれば、十分時間をかけて準備して申立を行うことができますが、相手方(多くの場合、使用者)の場合、突然、裁判所から申立書が届けられ、
そこに「第1回期日は●月●日です(概ね1か月程度後)。●月●日(第1回期日の1週間前)までに答弁書を提出してください。」と記載されています。
そのため、相手方は、裁判所から書面が届いてから第1回目の期日までの僅か1か月に、主張したいことを全て盛り込んだ書面を作成する必要がありますし、証拠もそろえる必要があります。
申立書が届き次第、直ぐに弁護士に相談いただければ、当然、対応は可能なのですが、書面提出期限の直前になって初めてご相談いただくと、弁護士側としてもかなり準備が大変ですし、依頼者様にもバタバタと準備をお願いすることになります。
労働審判の多くは、話し合いによる解決(調停)となることが多いですが、話し合いの前提として、労働委員会に、こちらの主張をきちんと理解してもらう必要がありますので、申立書が届きましたら、すぐにご相談いただけますようお願いします。