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社員が薬物を使用したとき

元「KAT-TUN」のメンバーが覚せい剤取締法違反で逮捕されました。
薬物は思っているより私たちの近くにあります。
社員や周りの人の薬物使用にも気を配る必要があります。

 「KAT-TUN」というグループの元メンバーが、覚せい剤の所持で現行犯逮捕されました。執行猶予中の再犯ということで、執行猶予取消と今回の実刑は免れないと思われます。薬物犯罪と言うと、近寄りがたいイメージがありますが、捕まった人は再犯防止のプログラムにも参加していたようで、薬物依存症の克服には非常に難しいものがあると感じざるを得ません。

 薬物の入手は、かつては怪しい人から怪しい場所で購入するというイメージがありましたが、今では特別なものではなくなっています。

 差しさわりがあるので検索用語は挙げませんが、ネットでも簡単に違法薬物を購入することができますし、都会のクラブ(踊るほう)などでは違法薬物を販売する売人(ばいにん)が、普通にたむろしています。

 また、違法な薬物とわかって積極的に買おうとしなくても、飲物に混ぜられたたり、眠くなるのを防止したいとか痩せたいなどというところによく効く薬として勧められたりなどするケースが後を絶ちません。薬物は知らない間に身近なところまで迫っているのです。だからこそ、繰り返し芸能人やスポーツ選手などの薬物使用が報道されているのに、ここ何年も逮捕者数が14000人前後を推移して減少しないのです(国民1000人に一人以上の割合であり、お年寄りや子どもを除けば割合はさらに上昇します)。

 では、社員が違法薬物を使用して捕まったらどうなるでしょう。

 刑事手続では、会社のするべきこととしては弁護人の選任を確認し、留置場にいる本人と連絡が取れるような体制を作ることが大切になります。

 また、就業規則を確認し、然るべき処分を裁判所の結果次第で行う必要があります。どの時点でどのような処分を行うかは、就業規則の定め方、自白の有無等によっても変わってきますので、弁護士等専門家にお尋ね頂くのが良いと思います。

 さらに進んで考えると、薬物の使用をさせないことが最も大切になります。

 生活習慣の乱れや、精神的に弱いところのある人が薬物に手を出しやすい傾向があるので、日ごろから精神的に弱めの社員のケアを怠らないようにする必要があると思います。また、薬物乱用に対するセミナーの開催なども効果的です。

 自社の社員が幸せになるように、社員の心の健康管理もこれからの経営者に課された大切な課題になりますので、意識を高めてくださるようお願いします。

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